大谷翔平 “二刀流”で連敗14で止める 4勝目&逆転ツーラン

大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手が9日のレッドソックス戦で投打に活躍して球団最長となっていた連敗を「14」で止めました。
今シーズン、大谷選手が投打に同時出場した試合でホームランを打つのは初めてです。

大谷選手は先月24日を最後に勝ちがないチームの連敗阻止を目指し、9日、本拠地のエンジェルスタジアムで行われたレッドソックス戦に先発ピッチャー兼2番 指名打者で出場しました。

中6日での登板となった大谷選手は、2回に1アウト三塁のピンチを招きましたが、次のバッターを160キロ近い速球で詰まらせてショートゴロに打ち取り、三塁ランナーをホームでアウトにしました。

このとき折れたバットが飛んで頭のすぐ近くを通過し、大谷選手は驚いたような表情を見せましたが、動じることなく次のバッターを三振にとって無失点で切り抜けました。

大谷選手は5回に犠牲フライで1点を先制されましたが、そのウラ、1アウト一塁で大谷選手に打席が回り、速球をとらえて今シーズン12号の逆転ツーランホームランを打ちました。

ホームランは先月29日以来10試合ぶりで、このあと7回の第4打席でもライト前にヒットを打ち、この試合は4打数2安打2打点で打率は2割4分7厘に上がりました。
1回の第1打席と3回の第2打席はいずれも空振り三振でした。
ピッチャーとしては7回まで100球を投げて打たれたヒットが4本、フォアボール2つ、三振を6つ奪い1失点と好投し、大谷選手の投打の活躍でエンジェルスは5対2で勝って球団最長となっていた連敗を「14」で止めました。

大谷選手はおよそ1か月ぶりに勝ち投手となり、今シーズンの成績は4勝4敗、防御率は3.64となりました。

一方、レッドソックスの澤村拓一投手はエンジェルスが2対1とリードした6回、ノーアウト一塁二塁の場面で登板し、2アウト後に9番 ベラスケス選手にスリーランホームランを打たれ、1イニングを投げてヒット1本、1失点でした。
澤村投手に勝ち負けはつきませんでした。

逆転ホームラン「いい仕事ができたかなと」

投打で奮闘した大谷選手は、試合直後のグラウンドでのインタビューで「連敗が長かった。なんとか切れて今はホッとしている。本当はもう1、2週早く連敗が止まればよかったが、悪い流れが続いて、きょうこそはという気持ちでマウンドに上がった。相手もすばらしい打線でなかなか三振が奪えない中で味方のいい守備にも助けられて序盤から粘って投げることができたと思う」と振り返りました。
また、逆転ホームランについては「1点を追う場面で、流れを変えるには長打かホームランしかないのでそういう意味ではいい仕事ができたかなと思う。主力がいない中、苦しいと思うが、カバーできるようにみんなで頑張っているのでここから連勝できるように、14連勝以上できるように頑張っていきたい」と話しました。

連敗ストップへ闘志あらわに

大谷選手の今シーズン12号の逆転ツーランホームランは、レッドソックスの先発、ピベッタ投手の148.2キロの真ん中高めのストレートを振り抜き、打球速度が168キロ、飛距離は120メートルでした。
今シーズン、大谷選手が投打に同時出場した試合でホームランを打つのは初めてです。
大谷選手はダイヤモンドを1周する際には珍しくガッツポーズを見せて何度も大きな声をあげ、チームの連敗ストップへ闘志をあらわにしていました。

【一問一答】

大谷選手はチームの14連敗を止めたレッドソックス戦の試合後に日米のメディアの取材に答えました。その一問一答です。

Q.久しぶりの勝利だった。
「長かったですけど、やっぱりいいものだなと思う」

Q.投打に活躍して連敗を止めた。
「チーム状況が苦しいので、なかなか先制点を取られると苦しいかなというところであげてしまったので、そこら辺はまだまだかなと思う。なんとかそこで逆転できたので、いい流れをもってこられたかなと思う」

Q.登板日にホームランを打つのは楽しいか?
「そうですね、なかなか自分の時打てないので(笑)。もっともっと打てるように、自分を楽にできるように頑張りたい」

Q.連敗中、個人的にかなりつらかったか?
「自分だけじゃない。みんな、勝ちたい気持ちはあると思うので。なかなか思うように投打がかみ合わないというか、ストレスがたまる中で、(自分も)何回か登板が回ってきたが、もっともっと早くこういう風にできればともちろん思っている」

Q.きょうはどうしても勝ちたかった?
「もちろんそう。投げる試合は特に。やっぱり先発ピッチャーが最初に崩れてしまうと、なかなか野手も勝つイメージがわかないと思う。そういう意味では、粘れたのはよかったかなと思う」

Q.ネビン監督代行にウイニングボールをあげたことについて。
「僕の4勝目より、もちろん監督としての1勝目のほうが価値があると思うし、なかなか監督になって1勝するということはないことなので。それはおめでとうございますと」
Q.登板で電子機器は使うのは初めてか?
「何回か使っている」

Q.これまでの登板でフォームに癖が出ているという認識があったのか?あるならどう対処したか?
「毎試合毎試合チェックもする。細かいところは必ず出たりすると思うが、それが有効かどうかは相手によっても違う。もちろん何も気にせず投げられるのがベストだし、そうなるように毎試合チェックしながら頑張っている」

Q.試合の入り方で注意した点は?
「シンプルに一人一人きっていこうということは考えていた」

Q.ここ数試合、リリーフへの負担が増える中で長いイニングを投げたかったか?
「やっぱり先発が長く投げるのがいちばん勝つ確率が(高い)。チームとして長期で見ても大事なこと。特にこうやって連敗している時は先発ピッチャーがしっかりと仕事をしないと、なかなか野手も打つ雰囲気というのは出てこない。先制点は取られたが、それ以降をしっかり抑えられたのはよかったかなと思う」

Q.ウイニングボールを渡した経緯は?
「帰ってきた時に渡した。特に経緯はないというか、もちろん『おめでとうございます』と言って渡した。これから2勝、3勝、もっともっとできるようにもちろん選手としても頑張りたいと思う」

Q.逆転ホームランの時、ベンチのハイタッチで笑顔がなかった。
「打ったのは打ったので終わっているので。投げている時は特に、もう次の回をしっかり抑えるというか、特に逆転した回は次のイニングが大事なので、もうそのことを考えていた」

Q.ホームランの打席から左の腕の位置を高くしていたように見えたが、試合の中で修正したのか。
「修正はもう毎試合する。野手で出ている時は毎試合、もちろん毎打席チェックする。いいスイングができているかどうか、タイミングが合っているかどうか、毎打席そうやってみんな微調整しながらやっている。きょうも投げている中でも微調整をした。それが毎試合続けられるのがもちろんいい選手だと思う。必ず好不調の波はあるが、なるべく波を小さくして、好調の波を維持していくというのがやっぱり大事かなと思う」

Q.14連敗の中で、どんな気持ちで試合に挑んだのか。
「気持ちはやっぱり、先制点を与えない。もちろんゼロ行進をしていくというのが理想的だが、1点を与えてしまったというのはよくない点。そこで自分で取り返して逆転できたというのは、まあ1ついいところかなと思う。それ以降、7回を抑えられたというのは球数が多くなる中で自信を持っていいところかなと思う」

Q.試合が始まる前の気持ちは。
「始まる前は(自分に)回ってきたものはしょうがないので、自分が(連敗を)止めるという気持ちで。前回の登板の時もそうだったが、そういう気持ちでもちろんマウンドには上がった」

闘志むき出しで試合を支配 チームに諦めムードなし

大谷選手は、7連勝中と好調のレッドソックス打線を7回1失点に抑え、打っては逆転のツーランホームラン。闘志むき出しのプレーで投打に試合を支配し、文字どおり大車輪の活躍でチームの連敗を14で止めました。

大谷選手はこの14連敗中、人一倍、大きな責任を感じていたように見えました。

2日前には、昨シーズン、登板の前日と翌日の休養日を撤廃しての起用に踏み切り二刀流フル回転での活躍を後押ししてくれたマッドン監督が解任されました。

「自分自身も調子が上がらない申し訳なさはもちろんある」と話し、恩師との別れを惜しみましたが、荒療治でもチームの連敗は止まらず、1点差での負けが続きました。

連敗中にピッチャーとして2回登板して勝てなかった大谷選手、「きょうこそは」という思いで臨んだというこの日のマウンドでは、いつも以上に気迫と闘志を前面に押し出す姿が見られました。

特に3回、2アウト三塁の先制のピンチで2番・デバース選手を迎えた場面では、今シーズン最速となる162.5キロのストレートで空振り三振と力勝負で圧倒し、ガッツポーズとともに雄たけびを上げました。

コントロールがばらつき始めた5回に先制点を与えますが、そのウラに回ってきた打席で嫌な流れを吹き飛ばす逆転のツーランホームランを打ち、ダイヤモンドをまわる際、ここでも珍しく何度も雄たけびをあげて勝利への執念を見せました。

ベンチに戻って、チームで今シーズン、ホームランを打った選手の習慣となっているカウボーイハットをかぶってハイタッチをしている間も笑顔は一切なく、みずからのバットで試合をひっくり返した喜びよりも勝つ事への最善策へ頭をめぐらせていました。

大谷選手は「打ったものは終わり。逆転した回は次のイニングが大事なので、もうそのことを考えていた」と話し、その後の2イニングをしっかり無失点に抑えてみせました。

大リーグで5年目を迎えた今シーズン、大谷選手は開幕前から「チームとしての位置、やらなくてはいけないことは増えてくる」とチームリーダーとしての自覚を口にしていました。

12連敗でマッドン監督が解任された直後の7日の試合ではチームの大黒柱のトラウト選手が股関節の張りで離脱し、一層大谷選手にかかる期待や役割が大きくなりましたが、投げて、打ってと、まさに二刀流ならではの活躍でチームにおよそ2週間ぶりの白星をもたらし、ネビン監督代行に初勝利のウイニングボールを手渡しました。

大リーグでは12連敗以上したチームがプレーオフに進出したことはなく、エンジェルスは今回の連敗でアメリカンリーグ西部地区で地区首位のアストロズに9ゲーム差をつけられました。

しかし、レギュラーシーズンはまだ残り103試合。

今シーズンはプレーオフに進めるチームが10から12に増えたという明るい材料もあり、チームに諦めムードはありません。

大谷選手も「ここから14連勝以上できるように頑張りたい」と話し、10日からはナショナルリーグ東部地区で首位を走るメッツを相手にバットで勝利を呼び込むつもりです。