欧州中銀 7月に政策金利0.25%引き上げの方針決める

ロシアによるウクライナ侵攻で、想定を上回るペースでインフレが加速する中、ヨーロッパ中央銀行は9日、理事会を開き、7月、政策金利を0.25%引き上げる方針を決めました。
金利を引き上げれば、11年ぶりになります。

ヨーロッパ中央銀行は9日、オランダのアムステルダムで理事会を開き、ロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー価格や食料価格の上昇に拍車がかかる中、当面の金融政策について協議しました。

その結果、景気の下支えのために続けてきた量的緩和策を7月終了したうえで、7月の理事会で、政策金利を0.25%引き上げる方針を決めました。

金利を引き上げれば、2011年以来、11年ぶりになります。

理事会のあとの会見でラガルド総裁は「インフレの圧力がエネルギーや食料に限らず幅広い分野で高まり、しばらくの間、望ましくない水準で物価高が続く可能性がある」と述べ、インフレが落ち着く兆しがないことに強い危機感を示しました。

そのうえでラガルド総裁は「9月も政策金利をさらに引き上げる見込みだ」と述べるとともに、その後も持続的に金利を引き上げる可能性があると示唆しました。

ヨーロッパ中央銀行の主要な政策金利は現在0%で、金融機関から資金を預かる際の金利はマイナス0.5%となっています。

記録的なインフレを抑えようとアメリカやイギリスなどが相次いで金利を引き上げる中、ヨーロッパ中央銀行も利上げにかじを切ることで、主要国では大規模な金融緩和を続ける日本の政策の方向性の違いが一段と際立つ形になります。

外国為替市場では、こうした政策の方向性の違いを背景に、このところドルやユーロに対して円安が進んでいます。