ウクライナ東部で激戦 ロシア軍 ドネツク州でも砲撃強める

ウクライナ東部では最大の激戦地となっているルハンシク州の都市に加えて隣接するドネツク州でもロシア軍が砲撃を強め、引き続き東部2州の掌握を目指しているとみられます。一方、ウクライナ軍はルハンシク州の都市にある化学工場を拠点にするなど徹底して反撃する構えです。

ウクライナ軍の参謀本部は9日、ロシア軍が東部ルハンシク州で最大の激戦地となっているセベロドネツクや、川を挟んで対岸にあるリシチャンシクなどに向けて砲撃を強めていると発表し「周辺の地域では民間インフラが破壊されている」と非難しました。

攻勢を一段と強めるロシア軍に対してウクライナ軍はセベロドネツクで市街戦ののち後退を余儀なくされ、窒素肥料などを作る化学工場を拠点に徹底して反撃する構えです。

ルハンシク州のハイダイ知事によりますと、ロシア軍は8日夕方、2度にわたって集中的に化学工場を砲撃し、ウクライナ軍の兵士4人が死亡したということです。

さらにルハンシク州に隣接するドネツク州でもロシア軍の砲撃が強まっています。

ウクライナ内務省は、バフムトで学校などが破壊された映像を公開し「400人以上の子どもたちが通っていた」と攻撃を非難しました。

ウクライナ軍によりますと、ドネツク州のほかの都市でもりゅう弾砲やミサイルによる攻撃が相次ぎ、ロシア軍は引き続き東部2州の掌握を目指しているとみられ、これに対してウクライナ側は欧米からの一層の軍事支援を受けながら反撃を強めるとみられます。