日本被団協 “世界は核廃絶に逆行” 抗議の決議

日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会は、ロシアによるウクライナ侵攻などを踏まえ、世界は核廃絶に逆行しているとして抗議するとともに、日本政府に対し、速やかに核兵器禁止条約に参加するよう求める決議を採択しました。

日本被団協は、8日と9日の2日間、東京 千代田区で定期総会を開き、全国の被爆者団体の代表などおよそ50人が集まりました。

総会では、ウクライナに侵攻したロシアが核の使用をちらつかせて威嚇する一方、アメリカも臨界前核実験を去年、行ったことが明らかになったことを踏まえ「私たちの『核兵器をなくせ』という血の出るような叫びとは逆の方向に進んでいる」として抗議する決議が採択されました。

このあと、特別決議も採択され、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、アメリカの核兵器を同盟国で共有する「核共有」をめぐる議論が国内で起きていることについて「これまでの被爆者の運動を水泡に帰し、国民の願いを踏みにじるものだ」と強く非難したうえで、日本政府に対し、速やかに核兵器禁止条約に参加するよう求めました。

日本被団協の事務局長で、今月、オーストリアで開かれる核兵器禁止条約の初めての締約国会議にあわせて現地を訪れる木戸季市さんは「原爆が何をもたらしたのかを特に若い世代に伝え、核兵器がいかに非人道的なものかを訴えたい。そして、ウクライナで戦争が起きている今、対話の重要性や日本の憲法9条の精神についても、各国の人たちに伝えたい」と話していました。