“都民割”「もっとTokyo」あす再開 宿泊プラン用意のホテルも

東京都が都民の都内での旅行費用を助成する、いわゆる“都民割”「もっとTokyo」を10日から再開するのに向け、東京 文京区のホテルでは専用の宿泊プランを用意して準備を進めています。

東京都は、都民を対象としたいわゆる都民割「もっとTokyo」として都内で、宿泊がともなう6000円以上の旅行では1泊当たり5000円を、3000円以上の日帰り旅行は1回当たり2500円を助成します。

新型コロナの影響で厳しい経営状況にある観光業を支援しようとおととし10月に始まりましたが、感染が拡大したため、およそ1か月で停止し、今回は10日から試験的に来月末まで助成を行います。

再開に合わせ、東京 文京区のホテルでは通常はラウンジで提供される人気の紅茶や軽食を客室で楽しめる専用の宿泊プランを用意し、10日から予約を受け付けることにしています。

また、ホテルでは専用の機械で庭園に霧を発生させて「雲海」を演出するほか、夜は蛍の光を鑑賞できるなど、都心で非日常的な時間を楽しんでもらう準備が進められています。

このホテルでは、“都民割”の再開が発表されて以降、1日に40件以上の問い合わせが寄せられているということです。
「ホテル椿山荘東京」マーケティング部門の園部咲乃マネージャーは「東京にいながらも、旅行気分を味わってもらえると思う。事業が中止にならないようにするためにも、感染対策の面での安全にも配慮してお客様を迎えていきたい」と話しています。

“都民割”「もっとTokyo」の利用条件

都民の都内での旅行費用を助成するいわゆる“都民割”「もっとTokyo」では、ワクチンの3回接種が済んでいるか、検査で陰性が確認された都民が対象で、いずれも予約やチェックインの際などに決められた書類を提示することが必要です。

ワクチンの接種歴については、接種の際に受け取る「予防接種済証」やデジタル庁の「接種証明書アプリ」などを提示します。

陰性の証明については、検査の種類によって有効期限が異なるため注意が必要で、12歳未満の場合については、同居する保護者などが同伴する場合には検査は必要ありません。

対象となるのは「もっとTokyo」に登録した旅行業者や宿泊施設などの予約で、接種歴や検査結果を持参し忘れて提示できない場合は、助成を受けられません。

実施期間は10日から来月31日までで、宿泊の場合は8月1日のチェックアウト分までが対象になります。

25万泊分が用意され、対象となるのは1人連続5泊までですが、期間中は何度でも利用できるということです。

小池都知事「基本的な感染防止対策の徹底を」

東京都の小池知事は、都民の都内での旅行費用を助成する「もっとTokyo」を10日から試行的に再開することについて「レジャーの際も基本的な感染防止対策の徹底をお願いしたい。体調がおかしいと思った時は、予定があったとしても外出は控え、医療機関で検査、受診をしてほしい」と呼びかけました。

また、小池知事は「これから外国人観光客の受け入れも始まる。旅行業界は、国から示された受け入れに関するガイドラインを順守してほしい。外国人観光客には安心して東京、日本の観光を楽しんでもらいたい」と述べました。