岸田内閣の不信任案 自民 公明 維新 国民などの反対多数で否決

立憲民主党が提出した岸田内閣に対する不信任決議案は衆議院本会議で採決が行われ自民・公明両党に加え、日本維新の会、国民民主党などの反対多数で否決されました。

衆議院本会議では、まず、立憲民主党が提出した細田衆議院議長に対する不信任決議案の審議が行われ、投票による採決の結果、自民・公明両党などの反対多数で否決されました。

野党側は、立憲民主党や共産党などは賛成し、日本維新の会、国民民主党、れいわ新選組などは採決を棄権しました。

続いて、岸田内閣に対する不信任決議案の審議が行われました。

立憲民主党の泉代表は「国民が物価高で苦しむなか、政府が物価対策を届けていないことで、消費が低迷し、日本経済に打撃となる可能性がある。その事実を国民に伝え、国民の意思によって政治を動かせる限られた機会がこの不信任決議案だ」と述べ、賛同を呼びかけました。

これに対し、自民党の上川幹事長代理は、「情勢の変化に対応し続けてきた岸田総理大臣の決断力や実行力への期待が高まっている。その歩みを止める不信任案の提出は極めて不誠実だ」と反論しました。

このあと投票による採決が行われ、立憲民主党と共産党などは賛成しましたが、自民・公明両党に加え、日本維新の会、国民民主党などの反対多数で否決されました。

一方、れいわ新選組は採決を棄権し、野党側は足並みが乱れる結果となりました。

岸田首相「責任果たし期待に応えていきたい」

岸田総理大臣は、総理大臣官邸で記者団に対し「議会で信任をいただいた。引き続き、責任を果たし、期待に応えていきたい」と述べました。

自民 高木国対委員長「粛々と否決されて大変よかった」

自民党の高木国会対策委員長は、国会内で記者団に対し「もとより不信任に値しないと言ってきたので、粛々と否決されて大変よかった。与党一致結束して対応できた。不信任案も否決されたのだからしっかりと野党にも協力してもらい、会期内にすべての法案を成立させたい」と述べました。

自民 茂木幹事長「立民と共産は党利党略を優先」

自民党の茂木幹事長は記者団に対し「圧倒的多数で否決することができた。今回の投票行動は、国益や国民生活を優先するのか、あくまで党利党略でいくのかを明確に分けるものであり、立憲民主党と共産党は、党利党略を優先する政党だということが明らかになった。今の国会の会期内で重要法案をしっかりと仕上げ、参議院選挙に臨んでいきたい」と述べました。

立民 泉代表「物価高と戦う党の姿勢示すことができた」

立憲民主党の泉代表は、記者団に対し「物価高と戦う党の姿勢を示すことができ、政権との違いは明確になった。国民生活の側に立つ党の主張が理解を得られるように努力し、岸田政権とさらに戦っていきたい」と述べました。

一方、野党内からも、今回の不信任案の提出に批判が出ていることについて「意見を言うべき機会に、意見を表明する勢力が叩かれるような議会にしてはならない。正当な意見表明の場を揶揄(やゆ)するのはあるべき姿ではない。内閣不信任案に反対した党は、物価高で国民生活が厳しくなっていることへの実感が不足しているのではないか」と述べました。

公明 石井幹事長「決議案 理由なく説得力もなかった」

公明党の石井幹事長は、記者団に対し「粛々と否決できて喜ばしい。賛成したのは立憲民主党と共産党などだけでほかの野党の賛成を得られなかったことは、不信任決議案がいかに理由なく説得力もなかったという証左ではないか。残る法案の確実な成立に向けて全力で取り組んでいきたい」と述べました。

維新 馬場共同代表「立憲民主党に猛省を促したい」

日本維新の会は、内閣不信任案に反対し、細田議長に対する不信任案は、採決を棄権しました。馬場共同代表は記者団に対し「国会の会期末が来れば内閣不信任案を出すということが続いていて、提出した立憲民主党はもっともらしいことを言っているが、そこに本当に緊張感があるのか。今後は政策や法案の議論を積み重ねるなど、国家国民のためになる政治に時間を使うべきで、猛省を促したい」と述べました。

そのうえで「政府与党も、決して褒められるような状況ではなく、目の前には物価高騰やエネルギー問題など、国民が不安に思っていることがたくさん横たわっている。こうした難問の処理にまい進していただきたいし、そうでなければ我々も自民党を攻撃することになっていく」と述べました。

国民 玉木代表「野党の中で思いが一致していなかった」

国民民主党は、内閣不信任案に反対し、細田議長に対する不信任案は採決を棄権しました。玉木代表は内閣不信任案について「国内が非常に厳しい状況にある中で、政治空白を作ることは国民のためにならないということで反対した。立憲民主党の会派だけの提出になったのは、野党の中でも思いが一致していなかったということだろう」と述べました。

一方、細田議長に対する不信任案については「三権の長の職を解くのであれば合理的で確たる根拠が必要だが現時点で、我々として不信任に値すると判断できる十分な材料を持ち合わせていないと判断し、欠席した。ただ、細田議長には引き続き説明責任を果たすよう強く求めていく」と述べました。

共産 志位委員長「参院選で厳しい審判をと訴える」

志位委員長は記者団に対し「岸田政権は、平和の問題では戦争する国づくりへの暴走を進め、暮らしの問題では物価高騰に無為無策であり、信任に値しないのは明らかだ。今度の参議院選挙で厳しい審判をくだそうと訴えていく」と述べました。

一方、細田衆議院議長の不信任決議案について「残念ながら否決という結果になったが、これで疑惑が解決したわけでは決してない。細田議長に対しては、引き続き、国民と国会への説明責任を強く求めていきたい」と述べました。

れ新 高井幹事長「茶番に付き合うことはできず」

れいわ新選組は、内閣不信任案、細田議長に対する不信任案、いずれも採決を棄権しました。高井幹事長は記者団に「野党第一党がこの国会、本気で戦ってきたのか、不信任案提出に値するのかということは厳しく問いたい。参議院選挙前に、やっている感を出すためだけの茶番に付き合うことはできず、棄権した」と述べました。

そして「国民生活を苦しめ、25年にわたるデフレが続き、コロナ大不況の中で、国民生活を全く顧みていない今の政権を、断じて続けさせるわけにはいかない。岸田内閣も細田議長も信任には値しない」と述べました。