ウクライナ ルハンシク州知事「地域の90% ロシア軍占領下に」

ウクライナ東部ではロシア軍が攻勢を強めていて、東部ルハンシク州の知事は「地域の90%がロシア軍の占領下にある」と明らかにしました。
ウクライナのゼレンスキー大統領は最も困難な状況にあるとする一方で「敵に損失を与えている」と述べ、ロシア軍に抵抗する姿勢を改めて強調しました。

ウクライナ国防省の報道官は8日、東部ルハンシク州でウクライナ側が拠点とするセベロドネツクの戦況について「最も激しい戦闘が行われている。敵は、装備も人員も惜しもうとしない」と指摘しました。

またルハンシク州のガイダイ知事は8日、SNSへの投稿で「ロシア軍が無差別に砲撃を続けていて、住宅地での被害が甚大だ。地域の90%がロシア軍の占領下にある」と述べ、苦戦を強いられていることを明らかにしました。

ウクライナ側は、ロシア軍がセベロドネツクを今月10日までに掌握することを目指しているとみて危機感を強めています。

一方、ロシアのショイグ国防相は7日、セベロドネツクについて「住宅地域を完全に掌握した」と発表しています。

また親ロシア派の武装勢力は8日、SNSで動画を公開し、プーチン大統領の側近の1人、大統領府のキリエンコ第1副長官がウクライナ東部ドネツク州のマリウポリを訪れたことを明らかにしました。

キリエンコ氏は、まちの再建に携わっているとするロシアの建設関係者と会ったほか学校などを訪問していて、ロシアによる支配を誇示するねらいがあるものとみられます。

ウクライナのゼレンスキー大統領は8日に新たな動画を公開し、セベロドネツクについて「非常に残酷な戦いであり非常に厳しい、おそらくこの戦争を通じて最も困難なものの1つだ」と述べたうえで、「私たちは自分たちの陣地を守り敵に損失を与えている」とし、ロシア軍に抵抗する姿勢を改めて強調しました。