ウクライナ東部でロシア軍が攻勢 南部では守勢に回る戦線も

ロシア軍はウクライナ東部のルハンシク州で攻勢を強め、ウクライナ軍は苦戦を強いられています。一方、ロシア軍が東部に戦力を集中させたことで、南部のヘルソン州などでは守勢に回る戦線もみられ、ウクライナ側は抵抗の構えを崩していません。

ウクライナ国防省の報道官は8日、東部ルハンシク州でウクライナ側が拠点とするセベロドネツクの戦況について「最も激しい戦闘が行われている。敵は装備も人員も惜しもうとしない」と指摘しました。

またルハンシク州のガイダイ知事は8日、ウクライナメディアの取材に対して「セベロドネツクの状況は厳しい。2日前、特殊部隊がほぼ半分を奪還したが、その後、空爆と砲撃が激しさを増し、われわれは郊外へ追いやられた」と述べ、苦戦を強いられていることを認めました。

ウクライナ側は、ロシア軍がセベロドネツクを今月10日までに掌握することを目指しているとみて、危機感を強めています。

一方、ロシア軍が東部に戦力を集中させたことで、南部では守勢に回る場面もみられます。

ウクライナの通信社は8日、親ロシア派の武装勢力の元幹部の話として、ロシア軍が南部のへルソン州とミコライウ州の戦線で、部隊を数キロ後退させているなどと伝えました。

イギリスの国防省は8日の戦況分析で「ロシア軍は東部に戦力を集中させているが、その周辺では守勢に立たされている。南部へルソン州ではウクライナ軍が反撃に転じ、主要河川の東岸で陣地を奪還した」と指摘しています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、海外の投資家が出席するオンライン会議で演説し「われわれは、すさまじい攻撃に耐え、領土を防衛している。この戦争に勝利することは、ヨーロッパで最も偉大な軍事的成功のひとつになるだろう」と述べ、ロシア軍に抵抗する姿勢を改めて強調しました。