ウクライナ東部 ロシア軍攻勢強めるも将軍戦死 一部で苦戦か

ウクライナ東部で攻勢を強めるロシア軍は、東部ルハンシク州の97%を掌握したと主張しました。
一方、ロシアを後ろ盾とする親ロシア派の武装勢力は、ロシア軍の将軍の1人が戦死したことを認め、一部では苦戦を強いられているものとみられます。

ロシアのショイグ国防相は7日、東部ルハンシク州でウクライナ側が拠点とするセベロドネツクについて、「住宅地域は完全に掌握した。現在、工業地帯や近隣の集落で攻撃を続けている」と述べ、現時点で州全体の97%を掌握したと主張しました。
これについて、セベロドネツクのストリュク市長は7日、地元メディアの取材に対して、「敵は次から次へと兵士を送り込んでいる」と苦戦を認めながらも「われわれは敵の突撃を食い止めている」と述べ、抵抗を続ける姿勢を崩しませんでした。
ゼレンスキー大統領は7日「過去24時間で、戦況に大きな変化はない」と攻防が続いているとしたうえで、ロシア側が東部ドンバス地域や南部ヘルソン州に、増援部隊を送り込もうとしていると指摘しました。

そして「われわれが部隊を前進させるには、少なくとも現在の10倍以上の軍事物資と人員が必要だ」と述べ、各国にさらなる支援を求めました。
一方、ロシアを後ろ盾とする親ロシア派の武装勢力の指導者プシリン氏は7日、自身のSNSに、ロシア軍の将軍の遺影とともに、「残念ながらわれわれは、彼とお別れすることになった」と投稿し、将軍の1人が戦死したことを明らかにしました。

ウクライナでは、軍事侵攻の当初からロシア軍の将軍や指揮官が、前線で戦死するケースが相次ぎ、今も一部では苦戦を強いられているものとみられます。

こうした中、外交面では、停戦交渉の仲介役を担ってきたトルコが、ロシアのラブロフ外相を首都アンカラに招き、8日にはチャウシュオール外相が会談に臨む予定です。

両外相は、ロシアの軍事侵攻で、ウクライナの港からの穀物輸出が滞っている問題についても話し合い、トルコ側は黒海で、国連とともに海上輸送ルートを設置することや、安全のための監視態勢の構築を提案する見通しです。

また、これに先立ち、ロシアのショイグ国防相とトルコのアカル国防相は7日、電話会談し、トルコ国防省によりますと、穀物やひまわり油といった農作物を、安全に輸送するための対策など食糧危機をめぐる問題についても意見が交わされたということです。

ロシアとトルコの外相会談によって、ウクライナからの穀物輸出の正常化に向けた糸口を見いだせるのか、国際社会の注目が集まっています。