リトアニア外相「黒海に安全な回廊を」日本や各国に協力求める

日本を訪れているバルト3国の1つ、リトアニアの外相がNHKのインタビューに応じ、ロシアの軍事侵攻によってウクライナの港で穀物の輸出が滞っている問題について「黒海に安全な『回廊』を作ることが解決策の1つになる」として有志国による護送船団を組んで穀物の輸送船を守ることを提案し、日本を含む各国に協力を求めていく考えを示しました。

リトアニアのランズベルギス外相は5日から日本を訪れていて、7日都内でNHKのインタビューに応じました。

この中で外相は、ロシアによるウクライナ侵攻について「ロシアが隣国に対して軍事力を行使することをいとわない攻撃的な国であることを示した。わが国と700キロの国境を接するベラルーシはウクライナ攻撃の準備に使われた。西にはロシアの飛び地で軍事基地があるカリーニングラードがある。われわれは双方に挟まれた状態だ」と述べ、ロシアへの強い警戒感を示しました。

そのうえで、リトアニアも加盟するNATO=北大西洋条約機構に対して兵力の増強を求めていく考えを示しました。

また、ロシアによってウクライナ南部の港が封鎖され、穀物の輸出が滞っている問題について「黒海に安全な『回廊』を作ることが解決策の1つになる。実現のためにはウクライナの船がロシア軍から攻撃されないように武器を供与することと、安全に航行できる保証をすることが必要だ」と述べました。

そのうえで、南部オデーサの港からボスポラス海峡までの海上ルートで有志国による護送船団を組み、穀物の輸送船を守ることを提案し、日本を含む各国に協力を求めていく考えを示しました。

また、リトアニアでは去年、「台湾」の名を冠した出先機関が開設されたことをめぐって中国との関係が悪化しています。

ランズベルギス外相は「今では、中国への輸出ができなくなり、ほぼゼロになっている」として中国がリトアニアからの輸入を厳しく制限していることを明らかにしました。

そのうえで「中国が他国の外交政策を変えるために何をするかが明らかになった。私たちは同じ価値観を持つ社会とのつながりで得られた信頼関係が自国の利益につながると考えている」と述べて、今後も台湾とのつながりを重視していく考えを示しました。