ゼレンスキー大統領 “7500万トンの穀物 輸出できないおそれ”

ロシアによる軍事侵攻によって、ウクライナ南部の港からの穀物の輸出が滞っている問題で、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ことし秋までに合わせて7500万トンに上る穀物が輸出できなくなるおそれがあるとして、強い懸念を示しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は6日、首都キーウで記者会見し、軍事侵攻を続けるロシアによってウクライナ南部の港が封鎖されたことで、2200万トンから2500万トンの穀物が輸出できない状態にあると述べ、ロシアを非難しました。

そして、今後も港の封鎖が続いた場合、ことし秋までに合わせて7500万トンに上る穀物が輸出できなくなるおそれがあるとして、強い懸念を示しました。

そのうえでゼレンスキー大統領は「穀物輸出を可能にするような安全回廊が必要だ」と述べ、穀物輸出の方法をめぐって、イギリスやトルコとの間で協議を行っていると明らかにしました。

一方、ロシアのプーチン大統領は、3日に放送された国営のロシアテレビのインタビューで「ロシアは無条件で安全な航路を確保し、船の安全な入港を保証する。ウクライナから穀物を輸送する問題など、存在しない」として、ウクライナ側の主張を否定しました。
ウクライナは世界有数の穀物の輸出国で、ロシアによる軍事侵攻の影響で食糧危機への懸念が各国で高まる中、今月8日にはロシアのラブロフ外相がトルコを訪れて外相会談を行う予定で、海上輸送に関する協議が進むのか注目されています。