ロシア 米報道機関に警告 ロシアメディアへの「敵対的措置」で

ロシア外務省はモスクワに拠点を置くアメリカの報道機関各社に対し、アメリカでのロシアメディアに対する厳しい措置が改善されなければ、ロシアでの取材活動ができなくなるおそれがあると警告しました。

ロシア外務省によりますと、6日、モスクワに拠点を置くアメリカの報道機関各社の代表を呼び、アメリカ政府によるロシアメディアへの「敵対的な措置」に対するロシア政府の立場を伝えたということです。

出席した関係者によりますと、この中で外務省のザハロワ報道官は、アメリカで活動するロシアメディアの記者などのビザや取材許可証、それに銀行口座の取得で問題が生じていると主張したということです。

そして、こうした状況が今後も改善されなければ「皆さんのロシアでの取材活動や生活でも同じような困難に直面する可能性がある」と述べ、ロシアに駐在するアメリカの報道機関の記者などのビザや取材許可証を剥奪する可能性に言及し、警告したということです。

関係者によりますと、出席したのはアメリカのABCやCNN、FOXなどのテレビ局のほか、AP通信などの代表合わせて11人で、誰からも質問はなく、ロシア側からの説明は30分ほどで終わったということです。

プーチン政権は先月、ロシアの国営テレビのカナダでの放送が禁止された報復だとして、カナダの公共放送のモスクワ支局を閉鎖に追い込むなど、外国メディアに対する締めつけを強めています。

米国務省 報道官「ロシア政府は報道の自由に対し総攻撃」

アメリカ国務省のプライス報道官は6日の記者会見で「ロシア政府は、報道の自由や情報の入手などに対し総攻撃を行っている」と述べ、強く批判しました。

さらに、ロシア側がアメリカで活動するロシアメディアの記者などのビザや取材許可証などの取得で問題が生じていると主張していることについては「アメリカ政府は条件を満たしたロシアのジャーナリストに対しビザの発給を続けており、取材許可証を無効にしたこともない」と述べました。