ウクライナ東部セベロドネツク 地元の知事「5割まで奪還」

ウクライナでは5日、ロシア軍が首都キーウをミサイルで攻撃し、鉄道車両の修理工場が被害を受けました。一方、東部ルハンシク州のセベロドネツクでは、ウクライナ軍が市の5割まで奪還したことを地元の知事が明らかにするなどウクライナ側の激しい抵抗が続いています。

ウクライナ軍などによりますと5日、ロシア軍の爆撃機が首都キーウに5発の巡航ミサイルを発射し、このうち4発が鉄道車両の修理工場に着弾し作業員1人がけがをしたということです。

ウクライナ当局は、ミサイルが着弾した場所だとする現場を5日報道陣に公開し、映像には、建物の外壁や屋根が大きく壊れ、一部がまだ燃え続けていたり、がれきが散乱していたりする様子が写されています。

一方、東部ルハンシク州でウクライナ側の主要拠点とされるセベロドネツクでは、完全掌握を目指すロシア軍と反撃するウクライナ軍との間で激しい攻防が続いています。

こうした中、ルハンシク州のガイダイ知事は5日に「ロシア軍はセベロドネツクを70%支配していたが、この2日間で彼らは撃退され、ウクライナ軍は市の半分まで取り戻した」とSNSに投稿し、ウクライナ軍がロシア軍を押し返し、市の5割まで奪還したことを明らかにしました。

イギリス国防省は最新の戦況分析で、ロシア軍は東部ルハンシク州での戦闘に、装備や訓練が貧弱な親ロシア派の予備役の兵士を動員しているとしたうえで「ロシア軍の勢いは鈍い」と指摘しました。

こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領はセベロドネツクに隣接する都市などを訪問したことを6日、明らかにしました。

ゼレンスキー大統領は、軍の司令官と話したり、兵士と一緒に写真を撮ったりする動画をSNSに投稿したうえで、ビデオ演説で「出会ったすべての人を誇りに思う」と述べ兵士らを激励しました。

ウクライナ軍の抵抗の原動力となっているのが、欧米各国が供与する最新鋭の兵器です。

これに対して、プーチン大統領は、5日に放送された国営テレビのインタビューで、射程が短く脅威にはなっていないという認識を示しました。

一方で「もしウクライナに射程の長いミサイルが供与されればわれわれは、新たな標的を攻撃するだろう。破壊するための手段は十分にある」と述べ、ウクライナへの軍事支援を強める欧米をけん制しました。