【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(6日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交などウクライナ情勢をめぐる6日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア外相 セルビア訪問を中止 “周辺国が領空を飛行禁止に”

ロシアのラブロフ外相は、ロシアと伝統的に友好関係にあるヨーロッパのセルビアを6日から訪問し、ブチッチ大統領らと会談する予定でしたが、6日、オンラインの記者会見で、訪問を中止せざるを得なくなったと明らかにしました。

中止の理由について、ラブロフ外相は自身が乗る予定の航空便についてセルビアの周辺国が領空を飛行禁止にしたためだとし「一部のNATO=北大西洋条約機構の加盟国による前代未聞の決定があり、信じられないようなことが起きた。セルビアとの関係は誰も壊すことはできない」と述べ、欧米側が両国の関係強化を妨害しようとしていると強く批判しました。

そのうえで、代わりにセルビアの外相をモスクワに招待することを計画しているとしています。

これに先立って、セルビアの地元メディアは、いずれもNATOに加盟する周辺国の、ブルガリア、北マケドニア、そしてモンテネグロの3か国がラブロフ外相の搭乗便を飛行禁止にしたと伝え、ロシア外務省もこれを確認していました。

また、ロシア大統領府のペスコフ報道官も6日、記者団に対し「一部の国の敵対的な行為でラブロフ外相の訪問がずらされたが、これによってセルビアなど友好国との関係に大きな支障をもたらすことにはならない」と述べ、欧米側をけん制しました。

ウクライナ軍「敵を24時間で7回撃退した」

激戦が続く東部ルハンシク州のセベロドネツクでは、一時劣勢とみられていたウクライナ側がロシア軍を押し返していてウクライナ軍は、セベロドネツクの守備を固めるとともに、東部のほかの地域で反転攻勢に出ようとしているものとみられます。

ウクライナ軍の参謀本部は6日朝、SNSで「ドネツク・ルハンシク方面ではこの24時間で7回、敵の攻撃を撃退した」と発表し、ロシア軍の戦車を破壊し攻撃ヘリコプターも撃墜したとしています。

アメリカのシンクタンク、戦争研究所は5日、「ロシア軍が兵力をセベロドネツクに集中している中で、ウクライナ軍がほかの地域での反撃に成功している」という分析を示しています。

砲撃で大けが 千葉大で治療 ウクライナ人男性を大使が見舞う

ロシア軍による砲撃で大けがをしたウクライナ人の男性を受け入れている千葉大学病院を6日ウクライナの駐日大使が訪れ、治療中の男性を見舞いました。
千葉市の千葉大学病院は首都キーウ近郊でロシア軍の迫撃砲を受けて足に大けがをしたウクライナ人のアントン・コルニシュクさん(37)を先月から受け入れ、治療を続けています。6日はウクライナのセルギー・コルスンスキー駐日大使が病院を初めて訪れ、コルニシュクさんと面会しました。
大使が見舞いのことばをかけると、コルニシュクさんは順調に回復していることや退院後は大学で学んでいた日本語を生かして避難者の支援に当たりたいなどと応じていました。コルニシュクさんは「自分にできることがあれば協力したい。けがをした人たちが日本でも治療を受けられるようになってもらいたい」と話していました。
またコルスンスキー駐日大使は「順調に回復していると聞き安心しました。受け入れてくれた病院側に感謝しています」と話していました。

ウクライナ “セベロドネツクで市の半分を奪還”と投稿

東部ルハンシク州でウクライナ側の主要拠点とされるセベロドネツクでは、完全掌握を目指すロシア軍と反撃するウクライナ軍との間で激しい攻防が続いています。
ルハンシク州のガイダイ知事は5日、「ロシア軍はセベロドネツクを70%支配していたが、この2日間で彼らは撃退され、ウクライナ軍は市の半分まで取り戻した」とSNSに投稿し、ウクライナ軍がロシア軍を押し返し、市の5割まで奪還したことを明らかにしました。
イギリス国防省は最新の戦況分析で、ロシア軍は東部ルハンシク州での戦闘に装備や訓練が貧弱な親ロシア派の予備役の兵士を動員しているとしたうえで「ロシア軍の勢いは鈍い」と指摘しました。

ゼレンスキー大統領 セベロドネツクに隣接する都市など訪問

ウクライナのゼレンスキー大統領はセベロドネツクに隣接する都市などを訪問したことを6日、明らかにしました。
ゼレンスキー大統領は軍の司令官と話したり、兵士と一緒に写真を撮ったりする動画をSNSに投稿したうえで、ビデオ演説で「出会ったすべての人を誇りに思う」と述べ兵士らを激励しました。

ウクライナ東部でウクライナ側が抵抗

ウクライナ東部では攻勢を強めるロシア軍に対しウクライナ側の抵抗が続き、内務省が管轄する準軍事組織「国家親衛隊」は5日、ロシア側の戦車や装甲車を次々と破壊する動画をSNSで公開しました。
ウクライナ軍の参謀本部は2月に侵攻が始まってから6月5日までに戦死したロシア側の兵士が3万1150人に上ると主張しています。
またイギリス国防省は最新の戦況分析で、ロシア軍は東部ルハンシク州での戦闘に装備や訓練が貧弱な親ロシア派の予備役の兵士を動員しているとしたうえで「ロシア軍の勢いは鈍い」と指摘しました。

ウクライナの公共放送 キーウに対するミサイル攻撃 動画を公開

ウクライナの公共放送は5日に公開した動画で、首都キーウに対するロシア軍のミサイル攻撃について伝えました。この中でミサイルの着弾の直後に現場付近で撮影されたとみられる映像が紹介されていて、黒い煙と炎がたちのぼる様子が写されています。
また飛行中のミサイルとみられる物体が写された映像もあり、高速で空を横切っていく様子が確認できます。

サッカーW杯 ウクライナ出場ならず ヨーロッパ予選プレーオフ

サッカーのウクライナ代表は5日に行われたワールドカップヨーロッパ予選のプレーオフでウェールズに0対1で敗れ、4大会ぶりのワールドカップ出場はなりませんでした。
カタール大会のヨーロッパ予選のプレーオフはことし3月下旬に行われる予定でしたが、ロシアによる軍事侵攻のため今月に延期されていました。

仏大統領 プーチン大統領を批判も対話重視 ウクライナ外相は非難

フランスのマクロン大統領は3日に伝えられたフランスの新聞のインタビューで、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアのプーチン大統領について「歴史的かつ根本的な間違いを犯している」と述べ、改めて批判しました。
その一方で「ロシアに屈辱を与えてはならない。外交的な手段で出口を作ることができなくなるからだ」とも述べ、停戦交渉をめぐってフランスが仲介役を担うためにもプーチン大統領と対話ができる関係を維持したいという考えを示しました。
マクロン大統領は制裁強化などの必要性を訴える一方で、先月、プーチン大統領と電話で会談するなど対話を継続することも重視しています。
マクロン大統領の今回の発言についてウクライナのクレバ外相は4日、ツイッターに投稿し「ロシアに屈辱を与えることを避けようと呼びかけることは、フランスやそのような呼びかけをするほかのすべての国が屈辱的になるだけだ」と非難しました。