ゼレンスキー大統領 “ロシア軍が修道院破壊 ユネスコ除名を”

ロシア軍は、ウクライナ東部ルハンシク州のセベロドネツクをめぐる攻防で「ウクライナ側に致命的な損失を与えた」として戦闘で優位に立っていると強調しました。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、東部ドネツク州にある歴史的に価値の高い修道院を、ロシア軍が破壊したと非難し、ロシアをユネスコから除名するよう呼びかけました。

ウクライナ東部のルハンシク州とドネツク州では、2州の完全掌握を目指すロシア軍と、抵抗するウクライナ軍との間で一進一退の攻防が続いています。

ルハンシク州のガイダイ知事は4日、ウクライナ側の主要な拠点とされるセベロドネツクについて「激しい戦闘が行われている。ロシア軍は全兵力を投入し、街の大部分が掌握された」と述べました。

そのうえで「ロシア軍は橋を爆破し、ウクライナの部隊の増強を食い止めようとしている」と述べ、ロシア軍がウクライナ軍の補給路を断とうとしているとの見方を示しました。

これに対し、ロシア軍は4日声明を発表し、セベロドネツクをめぐる攻防で「最大で部隊の90%が壊滅する致命的な損失を与えた」として戦闘で優位に立っていると強調しました。

また、ウクライナが穀物を輸出できなくなり、世界的な食糧危機の懸念が高まっている問題に関連して、ロシア軍は、黒海沿岸のヘルソンやミコライウ、それにオデーサなど6つの港で合わせて70隻の外国の船舶が動けなくなっていると指摘しました。

ただ、その理由については「ウクライナ側から砲撃されるおそれがあるためだ」としていて「ロシアが港を封鎖している」とするウクライナ側の主張に反論した形です。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は4日、SNSで、東部のドネツク州にある歴史的に価値の高い修道院を、ロシア軍が破壊したと非難しました。

一緒に投稿された短い動画では、木造の修道院が激しい炎に包まれているのが確認できます。
ゼレンスキー大統領は「第2次世界大戦が終わってからヨーロッパでこれほど多くの文化的・社会的な遺産を破壊した国はロシアだけだ。もはやユネスコにロシアの居場所はない」として、ロシアをユネスコから除名するよう、国際社会に呼びかけました。