医療用放射性物質 一部を国内製造に 原子力委が初の行動計画

がんの検査や治療に使う医療用の放射性物質について、国の原子力委員会は、海外からの輸入に頼っている一部の製造を研究用原子炉などを活用して国産化を目指すことを決めました。

医療用の放射性物質は世界各国で技術開発が進み、国内での治療例も過去20年間で5倍近くに増えている一方で多くは輸入に頼っていて、製造する海外の原子炉の停止や輸送トラブルなどによって供給が不安定になるケースがあるということです。

このため原子力委員会は、今後5年程度かけて一部の製造を国産で賄うための行動計画を初めて策定しました。

具体的には、年間100万件程度、画像診断で使われる検査薬の原料「モリブデン99」について、2027年度までに国内需要のおよそ3割を国産で賄うほか、前立腺がん治療に使われる「アクチニウム225」は、2026年度までに日本原子力研究開発機構にある研究用原子炉で製造できるよう実証を行うなどとしています。

原子力委員会によりますと、医療用の放射性物質は、がん治療を目的とした検査で体内に取り込んでがん細胞を見つけるなど、「核医学」の分野で今後も利用拡大が期待されるということで、「国内での基礎研究が世界をリードしている部分もある。『核医学』の分野を中心に今後10年程度かけて日本の強みにするべきだ」と提言しています。