【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(6月5日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交などウクライナ情勢をめぐる6月5日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア国防省 “戦車や装甲車を破壊”

ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は5日、ロシア軍が、ウクライナの首都キーウ郊外の工場を長距離ミサイルで攻撃し、戦車や装甲車などを破壊したと発表しました。

破壊したとする戦車などは、東ヨーロッパの国々から供与されたものだということです。また、
▽東部ドネツク州の兵器の修理工場や武器庫をミサイルで攻撃したほか、
▽ドネツク州のスラビャンスク近郊でウクライナ空軍のミグ29戦闘機を
▽南部オデーサの近郊では、ウクライナ空軍のアントノフ26輸送機を撃墜したとしています。

プーチン大統領 軍事支援強める欧米をけん制

ロシアのプーチン大統領は、5日に放送された国営テレビのインタビューで「もしウクライナに、射程の長いミサイルが供与されればわれわれは、新たな標的を攻撃するだろう。破壊するための手段はいくらでもある」と述べ、ウクライナへの軍事支援を強める欧米をけん制しました。

キーウで攻撃を受けた2地区とは

ウクライナの首都キーウのクリチコ市長によりますと、5日早朝にミサイル攻撃があったのは、市内を流れるドニプロ川東部のダルニツキーとドニプロフスキーの2つの地区だということです。

この2つの地区は住宅街で、ロイター通信は攻撃のあとの様子を映像で伝えています。
市内を走る車の中から撮影された映像には、黒い煙が空の広い範囲を覆っている様子が写っているほか集合住宅とみられる建物が多く建ち並ぶ近くから黒い煙が上がっている様子が確認できます。
また、AFP通信が撮影した映像には、建物の窓ガラスにひびが入ったり、割れていたりした様子が写っています。
現地メディアによりますと、キーウへの攻撃は数週間ぶりだということです。

キーウ市長 “2地区にミサイル攻撃”

ウクライナの首都キーウのクリチコ市長は、現地時間の5日早朝、市内の2つの地区にミサイル攻撃があったとSNS上で明らかにしました。
この攻撃による被害の状況は確認中だということですが、これまでに1人がけがをして病院で手当てを受けているということです。

セベロドネツク市長「ウクライナ軍は奪還しようとしている」

ロシア軍が掌握をねらうウクライナ東部の都市、セベロドネツクのストリュク市長は4日、ウクライナメディアのインタビューで「ウクライナ軍はセベロドネツクを奪還しようとしている」と述べ、ウクライナ軍が態勢を立て直して、ロシア軍を押し戻そうとしていると強調しました。

ロシア軍 セベロドネツクの攻防で優位強調

ウクライナ東部のルハンシク州とドネツク州では、2州の完全掌握を目指すロシア軍と、抵抗するウクライナ軍との間で一進一退の攻防が続いています。

ロシア軍は4日、声明を発表し、ウクライナ側の主要な拠点とされるセベロドネツクをめぐる攻防で「最大で部隊の90%が壊滅する致命的な損失を与えた」として戦闘で優位に立っていると強調しました。

これに対し、ルハンシク州のガイダイ知事は4日、セベロドネツクについて「激しい戦闘が行われている。ロシア軍は全兵力を投入し、街の大部分が掌握された」と述べました。
そのうえで「ロシア軍は橋を爆破し、ウクライナの部隊の増強を食い止めようとしている」と述べ、ロシア軍がウクライナ軍の補給路を断とうとしているとの見方を示しました。

ゼレンスキー大統領「ユネスコからロシア除名」呼びかけ

ウクライナのゼレンスキー大統領は4日、SNSでの投稿で、東部のドネツク州にある歴史的に価値の高い修道院を、ロシア軍が破壊したと非難しました。

投稿によりますと、修道院には子ども60人を含むおよそ300人の市民が避難していたということです。
けが人がいるかどうかなどは明らかになっていません。

この修道院は数日前にもロシア軍の攻撃を受け、その際は4人が死亡、4人が重傷を負ったということです。

一緒に投稿された短い動画では、木造の修道院が激しい炎に包まれているのが確認できます。
ゼレンスキー大統領は「第2次世界大戦が終わってからヨーロッパでこれほど多くの文化的・社会的な遺産を破壊した国はロシアだけだ。もはやユネスコにロシアの居場所はない」として、ロシアをユネスコから除名するよう、国際社会に呼びかけました。

セベロドネツク ロシア軍「ウクライナ側に致命的損失与えた」

ロシア軍は、ウクライナ東部ルハンシク州のセベロドネツクをめぐる攻防で「ウクライナ側に致命的な損失を与えた」として戦闘で優位に立っていると強調しました。

ルハンシク州のガイダイ知事は4日、ウクライナ側の主要な拠点とされるセベロドネツクについて「激しい戦闘が行われている。ロシア軍は全兵力を投入し、街の大部分が掌握された」と述べました。

そのうえで「ロシア軍は橋を爆破し、ウクライナの部隊の増強を食い止めようとしている」と述べ、ロシア軍がウクライナ軍の補給路を断とうとしているとの見方を示しました。

これに対し、ロシア軍は4日声明を発表し、セベロドネツクをめぐる攻防で「最大で部隊の90%が壊滅する致命的な損失を与えた」として戦闘で優位に立っていると強調しました。

また、ウクライナが穀物を輸出できなくなり、世界的な食糧危機の懸念が高まっている問題に関連して、ロシア軍は、黒海沿岸のヘルソンやミコライウ、それにオデーサなど6つの港で合わせて70隻の外国の船舶が動けなくなっていると指摘しました。

ただ、その理由については「ウクライナ側から砲撃されるおそれがあるためだ」としていて「ロシアが港を封鎖している」とするウクライナ側の主張に反論した形です。