アフリカ 食料不足の懸念高まる ウクライナ侵攻で食料価格上昇

ロシアのウクライナ侵攻により、アフリカを中心に食料不足への懸念が高まっています。

FAO=国連食糧農業機関が、穀物などの国際的な取り引き価格をもとにまとめている「食料価格指数」は、ロシアがウクライナに侵攻した翌月のことし3月には159.3ポイントとなりました。

これは前の月と比べて12.6%高く、1990年に統計を取り始めて以来、最も高い数字となりました。

先月も157.4ポイントと高止まりしていて、ウクライナ侵攻が世界的な食料価格の上昇の一因となっているのが分かります。

特にアフリカでは、近年の洪水や干ばつ、イナゴの大発生、それに新型コロナウイルスの影響も相まって、食料の価格は上がり続けていて、国連のWFP=世界食糧計画がことし5月に発表した報告書によりますと、主食の価格が過去5年の平均と比べて40%も上がった地域もあります。

IMF=国際通貨基金によりますと家計に占める「食料」の割合は先進国では17%なのに対して、アフリカでは40%を占めているところもあるということです。

このため、食料価格の高騰はアフリカの人たちの生活に大きな影響があると指摘しています。

WFPは西アフリカや中央アフリカで食料不足に苦しむ人の数はことし、3年前の4倍近くの4100万人にのぼるおそれもあるとしています。