熱中症か 学校で搬送相次ぐ “本格的な暑さ前に汗かく機会を”

3日、兵庫県尼崎市の中学校で、生徒が熱中症とみられる症状を訴え、22人が病院に搬送されました。前日の2日には、大阪市の中高一貫校で、生徒が熱中症になったと通報があり、生徒など30人が病院に搬送されました。
この時期は熱中症のリスクが高くなりやすいと言われています。専門家は「体がまだ暑さに適応していない段階で、急に暑くなると、体の熱をうまく逃がせない。本格的に暑くなる前に汗をかく機会をもってほしい」と指摘しています。

兵庫 尼崎の中学校で22人搬送

消防によりますと、3日午前11時すぎ、尼崎市の立花中学校から「体育大会の練習中に複数の生徒が吐き気などを訴えている」と通報がありました。

そして、熱中症とみられる女子生徒16人と男子生徒6人の合わせて22人が病院に搬送されました。

一時、歩くことが困難になった生徒もいましたが、手当てを受けて全員が回復しました。
尼崎市教育委員会によりますと、学校では午前8時45分から全校生徒およそ600人が参加して、校庭で体育大会の入場行進やラジオ体操などの練習を行っていて、搬送された生徒も含めて合わせて31人が体調不良を訴えたということです。

当時、学校側は着用していたマスクを外すよう指導しておらず、ほぼ全員がマスクを着用しながら練習していたということです。

神戸地方気象台によりますと、兵庫県内では午前中から気温が上がり、尼崎市の隣の大阪府豊中市では午前11時で26度ちょうどでした。

大阪の中高一貫校で30人搬送

前日の2日午後3時すぎ、大阪 中央区にある中高一貫校「大阪女学院」で、教員から「複数の生徒が体育大会中に熱中症になった」と通報がありました。

消防などによりますと、生徒29人と保護者1人の合わせて30人が病院に搬送されました。
大阪女学院によりますと、中学と高校の合同体育大会で、学年などに分かれて行われる応援合戦を終えたあとに、生徒たちが体調不良を訴えたということです。

応援合戦はマスクを外して声を出さずに行っていたということです。

2日の大阪市は日中の最高気温が29.2度でした。

専門家「暑くなる前に汗をかき 体から熱逃がす能力を高くして」

2つの学校ではいずれも、屋外での集団活動中に、子どもたちが症状を訴えました。

専門家などによりますと、この時期は、体がまだ暑さに慣れておらず、熱が逃げにくく、汗がうまくかけずに、熱中症になるリスクが高くなりやすいということです。

熱中症に詳しい大阪国際大学の井上芳光名誉教授は、次のように話しています。
井上名誉教授
「朝からずっと外にいて、体がもたない人、暑さに対して熱を逃がしきれない人もいる。暑さに弱い人と強い人がいるので、集団で行う運動会などの場合、休憩時間を余分にとるなど、弱い人を守るよう考える必要がある」

「コロナ禍で外に出ず、体を動かす機会が減った。体力が下がり、汗をかきにくい体になっている。体がまだ暑さに適応していない段階で、急に暑くなると、体の熱をうまく逃がせない」

「これから本格的に暑くなる前に、涼しい時間に動いたり歩いたりするなど、汗をかく機会をたくさん持ち、体から熱を逃がす能力を高くしてほしい」

体が暑さに慣れるには約2週間 少しずつ汗をかいておく

専門家などによりますと、体が暑さに慣れる「暑熱順化」には2週間ほどかかるということです。

気温が高くなりはじめ、やや暑いなと感じるくらいの日に外で30分ほど散歩をしたり、家でも週に2回程度はしっかりとお湯につかって入浴するなど、少しずつ汗をかいておくことも重要だということです。

温度だけでなく湿度なども加味した「暑さ指数」を参考に、積極的に休憩を取り入れるなどして、熱中症予防に努めてほしいとしています。