ウクライナ侵攻から3日で100日 戦闘さらに長期化の見通し

ロシア軍が、ウクライナ東部ルハンシク州の完全掌握に向け、ウクライナ側の拠点とされるセベロドネツクへの攻勢を強めている一方、欧米の軍事支援を受けるウクライナ軍も南部などで反撃を続けています。ウクライナへの侵攻から3日で100日となりますが、戦闘はさらに長期化する見通しでロシアと欧米側との間での軍事的な対立は深まる一方となっています。

ロシア国防省は2日、ウクライナ東部ドネツク州で、地上部隊や無人機などの攻撃により、弾薬庫や燃料庫を破壊したなどと発表しました。

また国防省は、ロシア軍と戦うためウクライナに集まった外国からの戦闘員が、当初いた6600人から現在は3500人と半分近くまで減ったと主張し、戦果を強調しました。

ロシア軍は、東部ルハンシク州で、ウクライナ側の州内最後の拠点とされるセベロドネツクへの攻勢を強めていて、ルハンシク州のガイダイ知事は、セベロドネツクのおよそ8割がロシア軍に掌握されたという見方を示しています。

また、ウクライナのゼレンスキー大統領は2日、ヨーロッパのルクセンブルクの議会でオンライン形式で演説し「ロシア軍はウクライナの領土のおよそ20%にあたる、12万5000平方キロメートルを支配している」と指摘しました。

ロシア軍は、ルハンシク州を完全掌握したのち隣接するドネツク州の掌握に向けて攻勢を強めるとみられますが、ウクライナ側も東部ハルキウ州や南部ヘルソン州でロシア軍を押し返すなど反撃を続けています。

こうした中、欧米側は、ウクライナへの軍事支援を強化していて、▽アメリカが、精密な攻撃が可能だとされる兵器「高機動ロケット砲システム」を供与する方針を発表したほか、▽ドイツも対空ミサイルシステムや、砲撃を感知するレーダーをウクライナに供与すると表明しています。

これに対し、ロシア大統領府のペスコフ報道官が2日「ウクライナに対し、最新鋭の兵器が送り込まれ続けている。こうした兵器がロシア国内に向けて使われることなど考えたくもないほど不愉快なシナリオだ。状況は極めて悪い方向になるだろう」と警告するなど、ロシアは強く反発しています。

ロシア軍がウクライナへの侵攻を始めて、3日で100日となりますが、戦闘はさらに長期化する見通しでロシアと欧米側との間での軍事的な対立は深まる一方となっています。