ロシア軍 ルハンシク州に戦力集中 南部はウクライナの反撃続く

ウクライナに侵攻したロシア軍は、東部ルハンシク州に戦力を集中させ、地元の州知事は、州内の最後の拠点とされるセベロドネツクのおよそ8割がロシア軍に掌握されたという見方を示しました。
一方、南部では、ウクライナ側がヘルソン州の一部を奪還するなど、反撃が続いています。

ロシア軍は、東部ルハンシク州の完全掌握を目指し、ウクライナ側の州内最後の拠点とされるセベロドネツクへの攻勢を強めています。

ルハンシク州のガイダイ知事は6月1日、SNSの投稿で、セベロドネツクのおよそ8割がロシア軍に掌握されたという見方を示す一方、ウクライナ側も激しい抵抗を続けているとしています。

戦況について、イギリス国防省は2日、「ロシアが、セベロドネツクの大部分を支配している。セベロドネツクに向かう主要道路は、ウクライナの支配下にある可能性が高いものの、ロシアが砲撃を集中させ、着実に前進している」として、セベロドネツクの大部分はロシア軍が掌握したと指摘しました。

イギリス国防省によりますと、ロシア軍は今後、ルハンシク州に隣接するドネツク州に攻勢をかけようと準備を進めているものの、これまでに大きな損失を被っているということです。

また攻略に向けては、天然の障壁であるドネツ川を部隊が渡る必要があり、準備に時間がかかれば、ロシア軍の勢いが失われる可能性があると分析しています。

南部のへルソン州 ウクライナ側が反撃

一方、南部ではウクライナ側が反撃しています。

ロシアが全域を掌握したと主張する南部ヘルソン州について、ウクライナの国営通信は6月1日、州知事の話として、これまでに州北部の20以上の地区が解放されたと伝えました。

国営通信は5月30日にも、内務省の高官の話として、ヘルソン州や南東部のザポリージャ州方面で、ウクライナ軍がロシア軍を8キロから10キロほど押し返したと伝えています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は5月31日の分析で、「ロシア軍は、セベロドネツクなどに戦力を集中しているため、ヘルソン州がぜい弱となり、ウクライナ軍の反撃が続いている」と指摘しました。