英 エリザベス女王 即位70年 4日間にわたって祝賀行事開催へ

イギリスではエリザベス女王の即位70年を記念する祝賀行事「プラチナ・ジュビリー」が2日から4日間にわたって行われます。ロンドンの街なかではあちこちにイギリスの国旗、ユニオンジャックが掲げられ、祝賀ムードが高まっています。

エリザベス女王は1952年に王位を継承し、イギリスの君主としては最長となる70年にわたってイギリスの統合を象徴とする存在として敬愛されてきました。

イギリスではエリザベス女王の即位70年を記念する祝賀行事「プラチナ・ジュビリー」が2日から4日間にわたって行われます。

2日にはバッキンガム宮殿の周辺で軍楽隊や騎馬隊などが大規模なパレードを行います。

ただ今回、女王はこれまでのように馬車に乗ってパレードに参加することなどは控え、宮殿のバルコニーで衛兵などからの敬礼を受けるということです。高齢の女王への負担を軽減するための対応だとみられます。
「プラチナ・ジュビリー」の4日間はイギリスは休日となり、すでにロンドンの街なかにはあちこちにイギリス国旗、ユニオンジャックが掲げられ、祝賀ムードが高まっています。

女王は最近ではソーシャルメディアを活用するなど「開かれた王室」を実践し、新型コロナウイルスの感染拡大で社会に不安が広がる中で医療従事者やボランティアとオンラインで対話するなど国民に寄り添う姿勢を示してきました。

ただ孫のハリー王子夫妻が王室の公務を退いてアメリカに移住したり、次男のアンドルー王子をめぐる性的虐待疑惑が取り沙汰されたりと近年、王室は大きく揺れ動いています。

女王自身も去年4月に長年連れ添った夫のフィリップ殿下を亡くしたほか、公務を欠席することも増え、96歳となった女王の健康を気遣う声も出ていて、王室を取り巻く状況が変わる中で女王は大きな節目を迎えることになります。

プラチナ・ジュビリーとは

「ジュビリー」とは聖書の記述を起源にしたことばで、現代では君主の生涯や節目などを祝う祭典を指します。

今回はエリザベス女王の即位70年を祝う祝賀行事「プラチナ・ジュビリー」が2日から4日間にわたって行われます。

エリザベス女王をめぐっては
▽1977年には即位25年を祝う「シルバー・ジュビリー」
▽2002年には即位50年を祝う「ゴールデン・ジュビリー」
▽2012年には即位60年を祝う「ダイヤモンド・ジュビリー」の節目で
国を挙げて祝賀イベントが行われてきました。

1952年に王位を継承したエリザベス女王は、イギリスの歴代の君主としては最長の在位となっていて「プラチナ・ジュビリー」が祝われるのはこれが初めてとなります。

エリザベス女王 メッセージ発表

イギリスのエリザベス女王は即位70年を記念する一連の行事が2日始まるのを前にメッセージを発表しました。

この中でエリザベス女王は、イギリスやイギリス連邦の国々で「プラチナ・ジュビリー」を祝うため、地域の人々や家族、友人たちが集まって多くの楽しい思い出をつくってほしいとつづっています。そして「私に示される善意に今も元気づけられている」と謝意を示したうえで「これからの日々が、この70年間に達成されてきたすべてのことを振り返る機会になるよう願っている。私たちは自信と情熱をもって未来に目を向けている」とコメントしました。

またイギリス王室は「プラチナ・ジュビリー」に合わせて撮影された女王の写真を公表しました。写真は女王がふだん過ごしているロンドン郊外のウィンザー城で5月25日に撮影され、薄いブルーの洋服を身につけた女王がほほえんでいる様子がとらえられています。

近年はさまざまな試練に直面

エリザベス女王は1926年4月、のちの国王、ジョージ6世の長女として生まれ、1952年、国王の死去に伴ってエリザベス2世として25歳で王位を継承しました。

2015年には19世紀のビクトリア女王を抜いてイギリスの君主として在位最長を更新し、イギリスの統合を象徴する存在として敬愛されてきました。

世界を見ますと、在位が最も長い君主はフランスのルイ14世とされ、72年、2016年に死去したタイのプミポン国王が70年となっています。
在位70年を迎えたエリザベス女王ですが、近年はさまざまな試練に直面しています。

おととし、孫のハリー王子夫妻が公務から退くことを発表した際には、ダイアナ元皇太子妃が交通事故で亡くなり、その対応をめぐって大きな批判にさらされた時以来の王室の危機とまでいわれました。

アメリカに移住したハリー王子夫妻がメディアのインタビューで、王室内で人種差別があったなどと述べたことは王室にとって大きなダメージとなり、王室と夫妻の関係はぎくしゃくしていると伝えられています。

ハリー王子夫妻は、今回の祝賀イベントのためイギリスを訪れる予定です。

また次男のアンドルー王子が未成年だった女性に対し性的虐待を行っていたという一連の疑惑も、王室に対する信頼を大きく損ないかねない事態となりました。
プライベートでは去年、70年以上連れ添った夫のフィリップ殿下を亡くし、葬儀の際には新型コロナウイルスの規制もあってほかの家族からも離れ、ひとりでうつむいて座っている女王を多くの国民が思いやっていました。

エリザベス女王は去年秋には医師の勧めに従っておよそ1か月にわたり静養したほか、公務を欠席することも増えています。

また歩く際にはつえを使う姿もみられるようになり、96歳となった女王の健康を気遣う声も出ています。
一方、エリザベス女王は王室の将来を見据えた動きもみせています。

ことし2月、声明を発表し、長男のチャールズ皇太子が国王に即位する際にはカミラ夫人が王妃となることを望む考えを明らかにしました。

カミラ夫人をめぐっては皇太子がダイアナ元皇太子妃と離婚後に再婚した経緯などから国民の間でも見方が分かれていて、将来、王妃と名乗ることに抵抗する声は根強く、王位継承の際の懸案とみられていました。

イギリスのメディアは円滑な王位継承を実現するため、女王がみずからの姿勢を明確にしたという関係者や専門家の見方を伝えています。