知床 観光船沈没 船倉の壁に穴 前方に水がたまりやすい構造に

北海道の知床半島沖で観光船が沈没した事故で、船の前方の甲板の下にある2つの倉庫を仕切る壁に穴が作られ、大きな空間ができていたことが関係者への取材で分かりました。船底の前方に水がたまりやすい構造になっていて、海上保安庁は船首側から浸水したとみられる今回の事故との関係を詳しく調べることにしています。

知床半島の沖合で観光船「KAZU 1」が沈没し14人が死亡、12人の行方が分からなくなっている事故では、海底から引き揚げられた船の現場検証などが進められていて船体が1日、陸揚げされました。

この船の前方の甲板の下には船の倉庫=船倉が2つあり、海上保安庁が詳しく調べた結果、2つの船倉を仕切る壁に穴があいていたことが関係者への取材で分かりました。
衝撃などでできた穴ではなく人為的に作られたものとみられ、この穴により船底全体のうち前方の4割近くが1つの大きな空間になっていて、船底の前方はより多くの水がたまりやすい構造になっていたということです。

これまでの調べで前方の甲板から下の船倉につながるハッチカバーが外れていたことが分かっているほか、観光船の通報内容では船首側から浸水したとみられていて、海上保安庁は今回の事故との関係を詳しく調べることにしています。
また国土交通省などによりますと、去年、国が行った船舶検査では船底の中央から後方にかけてのエンジンがある機関室の壁と、かじの近くの「だ機室」と呼ばれる部屋の壁の2か所に穴ができていることを確認し、検査員の指摘を受けて運航会社側は穴をふさいだということです。

一方、今回の事故の3日前に行われた検査では前方の2つの船倉を仕切る壁に穴があることを指摘した事実は確認できていないということで、国は検査員が認識していたかなど事故直前の検査について検証することにしています。