ザポリージャ原発に爆発物「核の大惨事のおそれ」公社危機感

ウクライナの原子力発電公社が5月31日、首都キーウで記者会見し、ロシア軍による掌握が続く南東部のザポリージャ原子力発電所に爆発物などが置かれているとして「核の大惨事につながるおそれがある」と危機感を示しました。

ウクライナでは4か所で原子力発電所が稼働していますが、このうち南東部にあるヨーロッパ最大規模のザポリージャ原子力発電所はロシア軍の攻撃を受け、3月上旬から掌握されています。

ザポリージャ原発について、ウクライナの原子力発電公社エネルゴアトム社のペトロ・コティン総裁代理は、5月31日、キーウ市内で開いた記者会見で、敷地内に500人以上のロシア軍兵士や軍用車両が配置され、作業員が銃撃される事態も起きていると指摘し「危険な状況となっている」と非難しました。

また、ロシア軍は敷地内に爆発物や兵器を置いているとして「爆発物が誤って爆発する可能性もあり、多くの核物質があるため非常に危険だ。ロシア軍は管理棟なども銃撃し破壊した。このような行動は核の大惨事につながるおそれがある」と、危機感を示しました。

そのうえでコティン総裁代理は「ウクライナと世界の安全を確保するため、ザポリージャ原発をロシアの侵略者から解放する必要がある」と訴えました。