ウクライナ産小麦 今夏から来年にかけ輸出量半減する見込み

ウクライナは世界有数の小麦の輸出大国ですが、ロシアによる軍事侵攻の影響で、ことし夏から来年にかけてウクライナから世界に輸出される小麦の量はおよそ半分に減ると見込まれることが分かりました。

これは農林水産省がアメリカ農務省のデータなどをもとにまとめたものです。

それによりますと、ウクライナでは去年秋までは天候に恵まれ、小麦は順調に生育していましたが、ロシアによる侵攻の影響で、収穫面積は前の年より21%減る見通しです。

アメリカ農務省によると、生産量が減ることに加えて穀物貯蔵の施設や輸送インフラが被害を受け、さらに黒海に面する南部の都市、オデーサの港がロシアによって封鎖されているということです。

このため、ことし7月から来年にかけての1年間の小麦の輸出量は前の1年間と比べて47%減少すると見込まれるとしています。

ウクライナは去年からことしにかけて、オーストラリア、アメリカに次ぐ世界第5位の小麦の輸出大国です。

特に北アフリカの一部と東アフリカでは小麦生産世界第2位のロシアとウクライナへの依存度が高く、小麦の国際価格上昇とあいまって大きな影響を受けています。

政府はウクライナ情勢の影響でアフリカでは3億5000万人が深刻な食料危機に直面しているとみており、どのような対応が可能か検討する考えです。