女性記者が長崎市の幹部職員から取材中に性暴力 市に賠償命令

15年前、長崎市の幹部職員から取材中に性暴力を受けたと女性記者が訴えていた裁判で、長崎地方裁判所は幹部による性暴力が職務に関連する行為だとして市の賠償責任を認定し、およそ2000万円を支払うよう市に命じました。

この裁判は平成19年に長崎原爆の日の式典に向けて取材していた女性記者が、当時の市の原爆被爆対策部長から性暴力を受けたうえ、別の職員に女性にまつわる虚偽のうわさを流されたなどと訴えて、長崎市に対して7400万円余りの損害賠償や謝罪広告の掲載を求めていたものです。

30日の判決で長崎地方裁判所の天川博義裁判長は市の部長による性暴力を認めたうえで「性的自由を侵害するもので違法だ」と指摘しました。

そのうえで「部長は取材への協力という職務に関連する行為に際して性暴力に及んでいて職務関連性がある」として市の賠償責任を認定しました。

さらに別の職員が虚偽の情報を流したことや、市が二次被害を防ぐ義務を怠ったことも認めたうえで、慰謝料などおよそ2000万円を支払うよう市に命じました。

一方、謝罪広告の掲載は認めませんでした。

原告の女性記者「勝訴できたことにほっとしています」

判決後、原告の女性記者や弁護士が記者会見しました。

この中で女性は「勝訴できたことにほっとしています。努力した15年間が認められ、責任は長崎市にあると司法に判断してもらえたことを喜んでいます。きょうの判決がこの社会で暮らし、働く女性にとって性的暴力にあうことなく、あってしまった後もその不当性が社会に認められ、誇り高く生きられる一筋の光となることを希望します」と話しました。

そのうえで女性は長崎市に対して「判決の内容に従い真摯(しんし)に反省し、心からの謝罪をして、こういったことを二度と起こさないようにしてほしいと思います」と述べ、判決を受け入れるよう求めました。

長崎市長「判決文を十分に精査して対応を検討」とコメント

30日の判決を受けて被告の長崎市の田上富久市長はコメントを発表し「長崎市は訴訟の経過において必要な主張を行い、その主張が認められた部分もあります。しかしながら一方で、主張が認められなかった部分もありますので、これから判決文を十分に精査して対応を検討してまいります」としています。

長崎市は判決を受け入れるのか、控訴するかなどの対応については今後、判断するとしています。

判決が性暴力を認定した当時の原爆被爆対策部長は問題が発覚したあと、自殺しています。