ゼレンスキー大統領 欧米から軍事支援受け徹底抗戦の決意強調

ウクライナ東部ルハンシク州の最後の拠点とされるセベロドネツクにロシア軍が攻勢を強める中、ゼレンスキー大統領は「われわれはより多くの近代的な兵器を手に入れようとしている。最後にはわれわれが平和を取り戻す」と述べ、欧米諸国から軍事支援を受けて徹底抗戦する決意を強調しました。

ロシア軍は29日、ウクライナ東部のドネツク州とルハンシク州でウクライナ軍の弾薬庫や兵器などをミサイルによる攻撃で破壊したと発表し、特に完全掌握をねらうルハンシク州ではウクライナ側の最後の拠点とされるセベロドネツクを包囲しようと攻勢を強めています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は29日、動画を公開し、セベロドネツクの状況について「街の重要なインフラはすべて破壊された。建物の90%が損傷を受け、住宅の3分の2以上が完全に破壊された。通信も失われている」と述べ、大きな被害が出ていることを明らかにしました。

そのうえで「われわれはより多くの近代的な兵器を手に入れようとしている。セベロドネツクの前線を守っているすべての人に感謝する。最後にはわれわれが平和を取り戻す」と述べ、欧米諸国から軍事支援を受けて徹底抗戦する決意を強調しました。

この日、ゼレンスキー大統領は東部ハルキウ州を訪れ、前線の兵士たちを激励しました。

ロシア軍の侵攻が始まってから、ゼレンスキー大統領が首都キーウを出て東部を訪問するのは初めてとみられ、東部で反転攻勢に乗り出したいものとみられます。

一方、ロシアのプーチン大統領は、北欧のフィンランドとスウェーデンのNATO=北大西洋条約機構への加盟をめぐって、その対応が焦点となっているトルコのエルドアン大統領と30日に電話で会談する見通しで、プーチン大統領としては、NATO拡大に向けた動きをけん制したい思惑もあるとみられます。