ロシア軍 東部2州で攻勢 ゼレンスキー大統領はG20出席の意向

ロシア軍はウクライナ東部2州で攻勢を強めていて、このうちルハンシク州の完全掌握に向けて州内最後の拠点ともされるセベロドネツクを包囲しようと部隊を進めています。こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ことし11月に開かれるG20=主要20か国の首脳会議にオンライン形式で出席する意向を示し、国際社会が一致して対処する必要性を強調しました。

ロシア軍はウクライナ東部ルハンシク州の95%をすでに掌握したとみられ、現在は全域の掌握に向けてウクライナ側の州内最後の拠点ともされるセベロドネツクを包囲しようと部隊を進めています。

イギリス国防省は27日、セベロドネツクの南にあるポパスナの周辺でロシア軍がいくつかの村を占領するなど圧力を強めていると指摘しました。

ロシア軍に抵抗するルハンシク州のガイダイ知事は27日、SNSで「われわれは防衛のための十分な力を持っているが、ロシア軍の包囲を避けるためには撤退しなければならなくなる可能性もある」として、今後の戦況によっては撤退もあり得るとの考えを示しました。

ロシア軍はルハンシク州に隣接する東部ドネツク州でも攻勢を強めていて、親ロシア派の武装勢力は27日、ロシア側が州北部の町リマンを掌握したと主張しました。

これについてウクライナ大統領府の顧問を務めるアレストビッチ氏は、26日「われわれはリマンを失った。ロシア軍の戦術的なレベルが上がっている」と述べました。
こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、インドネシアのシンクタンクが主催する講演会にオンラインで参加しました。そしてG20=主要20か国の議長国を務めるインドネシア政府から、ことし11月の首脳会議に招待されたことについて「大変感謝している。秋までに世界がこの大きな問題を解決することを望んでいる」と述べました。

そのうえで「首脳会議の場には友好国やパートナー国だけが出席し、占領や侵略を行う国がいないことを信じている」と述べ、ロシアの参加を認めないよう国際社会が一致して対処する必要性を強調しました。

また出席の方法については「戦争が続いている場合はオンラインで出席したい」と述べました。
首脳会議の出席者をめぐっては先月、インドネシアのジョコ大統領がロシアのプーチン大統領から出席の意向が伝えられたことを明らかにしていて、インドネシアに駐在するロシア大使はプーチン大統領は対面で出席する意向があると述べています。