マスク着用 都内の一部図書館 閲覧席で条件満たせば未着用で

マスクの着用に関する国の新たな考え方が示されたことを受けて、都内の一部の図書館では、閲覧席に限って一定の条件を満たせばマスクを外してもよいと利用者に周知を始めました。

国が示した新たな考え方では、屋内でも距離を確保したうえで、会話がほとんどない場合はマスクを着用する必要はないとし、図書館での読書などが例示されています。

東京 足立区は、15ある区立図書館で、閲覧席に限って周囲に人がおらず、会話をしない場合はマスクを外してもよいと利用者に周知を始めました。

このうち中央図書館には、およそ130の閲覧席がありますが、今月24日に「当面マスクの着用をお願いする」としたうえで「マスクを外す場合にはまわりにほかの利用者がいないことを確認して、会話は控えていただくようお願いします」などという注意書きを新たに掲示しました。

図書館によりますとこれまでのところは引き続き、マスクを着用する利用者が多いということです。

一方、閲覧席以外の場所では、人がすれ違ったり会話したりすることもあるため、これまでどおりマスクの着用を呼びかけます。

マスクを着用して閲覧席を利用していた40代の男性は「条件を満たしていて人が周囲を通らないのであれば、マスクを外してもいいかなと思います」と話していました。

館長の大久保慎也さんは「国から方針が示されたので、図書館としてきちんと利用の方法を伝える必要があると思いました。まだ完全に終息したわけではないので、周囲の人に配慮して利用していただきたいと思います」と話していました。

保育園では

国はマスクの着用について2歳未満は推奨せず、2歳以上の就学前の子どもには一律には求めないとする考え方を示しましたが、子育ての現場では引き続きマスクの着用を徹底するところもあります。

神奈川県相模原市にある認定こども園では、2歳から5歳までの子どもおよそ100人を受け入れています。

新型コロナウイルスの感染が拡大し始めたおととしから、すべての園児にマスクの着用を徹底していて、国の新たな考え方が示されたあとも、同様の対応を続けています。

これまで園児の感染が少なく抑えられ効果を感じているほか、市内でクラスターの発生が続くなど、まだ楽観できる感染状況ではないと考えているからです。

一方、屋外で遊ぶ際は熱中症の危険もあるためマスクの着用を緩和したいとも考えていますが、判断が難しいということです。

相模つばさ幼稚園の平本大輔副園長は「どうしても子どもたちは密になって遊ぶことが多く、ここで感染が広がれば、また去年のような状況に戻ってしまうので、もう少し様子を見てからマスクを外すというのを考えていきたいです」と話していました。

化粧品販売店では

化粧品販売店からは今後、マスクを外す機会が増えれば、口紅やチークなどの売り上げが回復するのではないかという期待の声が出ています。
東京 世田谷区の化粧品販売店では、コロナ禍で落ち込んだメイクアップ商品の売り上げが徐々に回復してきていますが、コロナ前に比べるとまだ5割程度で、口紅に限ると1割程度だということです。

店では今後、マスクを外す機会が増えれば、口紅やチークなども回復するのではないかと期待しています。

また、最近は「マスクで隠れていた口やほお周りのたるみが気になる」といった客からの相談も多いということで、2年余り中止していた顔のマッサージやパックなどのエステを、来月から感染対策を取ったうえで、再開することにしました。

店を訪れた客は「マスク着用の緩和はありがたいですが、感染がゼロではないので、外すのはまだ少し不安です。いままではマスクをしていたので、目元だけのメイクでしたが、今後、マスクを外すなら、明るい色を付けたいです」と話していました。
サクラコスメティックスの小林亜貴子さんは「マスクを外す機会が来たときに、自信を持って外せるような準備をそろそろされているのではないかなと思います。今後、マスクを取る機会が増えていけば、口紅を塗られる方や購入される方も増えてくるのではないかと思います」と話していました。