夏祭り 2022年 関西の状況は? 開催できるの?

コロナ禍でこれまでは中止が相次いでいた夏祭り。ことしは3年ぶりに開催を決めるケースが相次いでいます。

一方で、ことしも開催を見送ったり、規模を縮小したりするところも。

また、開催を決めた祭りやイベントでも、それぞれ感染対策を講じています。

大阪の天神祭や、京都の祇園祭など、例年なら夏に多くのイベントが開かれる関西のことしの状況をまとめました。

(関西各放送局 取材班)

大阪 天神祭は

大阪の夏を代表する「天神祭」

例年7月に行われ、花火や100隻もの船が大川を行き交う「船渡御(ふなとぎょ)」などが夏の風物詩として親しまれ、毎年130万人が訪れます。
この2年は、新型コロナの影響で多くの行事が中止されましたが、ことしは、天神祭のハイライトのひとつ、ご祭神とともに街を練り歩く「陸渡御(りくとぎょ)」が、3年ぶりに実施されることとなりました。
行列に参加する人数を半分にし、感染対策をしっかり行ったうえで例年と同じルートを練り歩く予定です。

一方、多くの人が集まる100隻の船が川を行き交う「船渡御」や天神祭奉納花火は3年連続で中止です。
大阪天満宮 広報室室長 三宅隆さん
「3年ぶりに陸渡御が復活するという、私たちにとっても、とてもうれしいことでございます。本当はできればいつものようにやりたかったんですけども、やっぱり船、花火っていうのは、ことしはちょっと無理やなって。ギリギリの選択、苦渋の選択っていうんですかね」

関西の花火大会は?

ことしの関西各地の主な夏祭りの開催状況についてまとめました。

まず、花火大会です。
▼なにわ淀川花火大会(大阪)
3年ぶりに8月27日の開催に向けて準備を進めています。

▼天神祭奉納花火(大阪)
▼びわ湖大花火大会(滋賀)
3年連続で中止です。

▼みなとこうべ海上花火大会(兵庫)
関係機関と協議中だということです。

関西のイベントは?

続いて夏祭りやイベントです。
▼なら燈花会(奈良県)
古都 奈良の夏の夜をろうそくの火で彩る恒例イベントも3年ぶりに来場者を入れて開催されることになりました。
8月5日から14日まで10日間です。
例年2万本のろうそくをともしていましたが、ことしは新型コロナの影響でイベントを手伝うボランティアが集まらないおそれがあるため、1万2000本ほどに減らし規模を縮小して行う予定です。

▼祇園祭(京都府)
7月、京都の夏を彩る祇園祭。
ことしは3年ぶりに「山鉾巡行」を実施する予定です。
感染拡大を防ぐため時間を短縮。
沿道の観覧席は間隔をあけるということです。

▼那智の扇祭り(和歌山)
世界遺産、熊野那智大社で毎年7月14日に行われる伝統の「那智の扇祭り」は、2020年と2021年は神事に限定されていましたが、今年は通常どおり行われるということです。

▼全国金魚すくい選手権大会(奈良)
8月21日に3年ぶりに開催します。
いまのところ無観客での開催を予定していますが、感染状況をみて観客を入れることを検討するということです。

▼イナズマロック フェス(滋賀)
そして夏と言えばこの人。
滋賀県出身のミュージシャン西川貴教さん。
西川さんが主催するびわ湖の湖岸で開かれる9月の音楽イベントも感染対策を徹底し3年ぶりに開催です。

祭りに向けた注文も

徐々に再開され始めた夏祭り。

さっそく注文が寄せられているもの、それが「祭り用のタオル」です。

創業80年あまりの大阪 貝塚市のタオルメーカーはだんじり祭やふとん太鼓などに参加する団体から注文を受け、祭り用のタオルを製作しています。

タオルは赤や青など色とりどりで、地域の名前やだんじりのイラストがデザインされているなど派手な見た目が特徴です。
祭り用のタオルは、関係者が寄付金を募る時に渡したり、祭りの参加者に配ったりするということで、1つの団体から2000枚の注文を受けることもあるそうです。

コロナ禍で祭りがなくなり、おととしと去年は祭り用のタオルの注文はほとんどありませんでしたが、ことしは祭りが再開されはじめ、注文はコロナ前の半分程度まで戻ってきました。

これから夏に向けて本格的な生産にはいります。
「ろ七タオル」田端純一郎社長
「ホテルなど、観光業からの注文が年末から増えてきて、『次は、祭りだ』といい雰囲気になっています。お客さんもすごく喜んでいて、タオルでみんなが元気になってくれたらうれしいです」

感染対策には気をつけて

祭りが再開されたことによって少しずつ活気が戻りはじめているところもあります。

開催を決めたところも、完全に今までどおりではなく、さまざまな感染対策をとりながら進めていることがうかがえます。

主催者が決めたルールを守りながら、引き続き感染対策に気をつけ、楽しい夏にしたいですね。