メタバースが変える未来

メタバースが変える未来
インターネット上の仮想空間、メタバース。最近よく聞かれるかもしれません。立体的な仮想空間の中で、利用者が分身のアバターを通じて交流したり、買い物などを楽しんだりすることができます。このメタバースが未来をどう変えていくのか見ていきたいと思います。

問題に挑戦!

まずは問題。
問題
イラストのような新しい技術を活用することが注目されている。どのようなことが可能になるのか、空欄に当てはまる言葉を答えなさい。

機器を装着して
「      」ができる。

SAPIX 2022年度中学入試予想問題集 (改題)
解答例は、「仮想空間にいるような体験ができる」です。

メタバース 仮想空間に“もうひとつの世界”!?

メタバースは今、どんどん進化しています。
例えば、問題のイラストのようなゴーグルを装着すると、メタバース上の渋谷の街に行くことができるんです。

国内外の多くの企業が次世代のサービスの基盤になると注目しています。
メタバースについて、中央大学の岡嶋裕史教授に話を聞きました。
まず、メタバースはこれまでと違って何ができるんでしょうか。
岡嶋裕史さん
「今メタバースと言われているものはゲームやSNSが出発点だと思う。メタバースは単に遊びではなくてその中で働くことができたり勉強して知識を身につけたりすることができる。まさに住めるところを目指しているのかなと思う」

日本にもメタバースブーム到来!?

国内でも2022年4月、メタバースの活用などを進める新たな業界団体が発足。
地方自治体の移住説明会や企業の新入社員の研修など、さまざまな分野で活用が始まっています。
こちらは、大手住宅メーカーのメタバース住宅展示場。
担当者がアバターを通じて案内してくれます。
まるで家の中を歩くような感覚で見学することができます。
その場で家具や内装の色を変えることができ、理想の家づくりがシミュレーションできると言います。

教育に活用

教育の分野でも活用が進んでいます。
この通信制高校では去年からメタバースを授業に導入。
全国各地にいる生徒が同じ教室で机を並べます。
化石についての授業では、目の前にアンモナイトが出現。
手にとって観察することもできます。

生徒はどのように感じているのでしょうか。
高校3年 横見賢一さん
「本当に教室という感じではなくて、アミューズメントパークとかおもしろい場所に来ているような感覚になって、かなり魅力的に感じますね」
これまで引っ込み思案だったという横見さん。
クラスメートとの交流の場では、現実とは違う見た目のアバターになることでコミュニケーションがしやすくなったと言います。
横見さん
「相手の実際の年齢や性別の意識が薄れて、対等に友達として接することができたりする。話したりするのがかなり苦手だったけれど、だんだん話すことに慣れてきて、こういう場があってよかったと思った」
学校では、メタバース上で運動会も開催。
運動が苦手な生徒や障害がある生徒も一緒に参加することを目指しています。

このように、メタバースは多様な生き方の選択肢を与えてくれると、岡嶋裕史教授は言います。
岡嶋さん
「病気で歩けなくなったとか、障害を負って運動することが難しくなってしまった場合でも、メタバースであればスポーツにもう一回アクセスし、体を動かせるかもしれない。気持ちいいという感覚を取り戻せるかもしれない。年齢の壁をこえたり、性別の壁をこえたり、生きづらいと思った人が、メタバースだったら生きづらさをひょっとして緩和できるかもしれない。メタバースに行くという選択肢があるのはいいことではないかと思う」
また、岡嶋さんは、「メタバースは大人も子どもも同じ空間で交流する状況なので、ルールをどうするのかみんなで話し合って決めていく必要がある」とも指摘していました。

社会課題の解決を目指す空間も

メタバースについては、貧困や社会課題の解決を目指す空間もあります。
この中には、ウクライナを支援するブースを立ち上げることが計画されていて、避難民の方や支援団体がアバターとなって商品を販売し支援の場になることを目指しているということです。
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