ロシア退役将校 プーチン政権を痛烈に批判 「賢人の声に耳を」

ウクライナへの軍事侵攻に反対を訴えていたロシアの退役将校が、作戦は戦略面でも情報戦でも敗北している上、歴史的な孤立を招いているなどと政権を痛烈に批判し、ウェブ上で論議となっています。

ロシアの退役将校のレオニード・イワショフ氏は、今月はじめに出版社のウェブサイトで公開されたインタビューで、ウクライナ侵攻について「初期段階で戦略上の大きな見込み違いがあり、作戦が滞っていることが明らかになった」と述べたうえで「ロシアは地政学的な意味ではすでに敗北しており、情報戦や心理戦でも完全に敗れている」と指摘しました。

そして「軍の学校や訓練では常に、敵を過小評価しないことの重要性を教わったものだ。この20年間、プロの国防相は1人もいない」と述べ、作戦を主導するショイグ国防相や軍を批判しました。

さらに「歴史上、ロシアがこれほどの孤立状態に置かれたことはない。大統領は思い上がることなく、賢人の声に素直に耳を傾けるべきだ。謝罪をし、政府の要職には、軍事作戦に反対した人物を据えるべきだ」と述べ、プーチン大統領をも痛烈に批判しています。

イワショフ氏は、ロシア国防省で国際局長も務めた、かつての重鎮で、ことし2月のウクライナ侵攻前には「誰も必要としない戦争を止めるべきだ」と反対を訴えていました。

これに対して出版社のウェブサイト上では「侵攻前の警告が無視され、今や若者たちが命を落としている」と同調する声がある一方で「行動しなければむしろ欧米にやられていた。時代遅れで滑稽な主張だ」などといった意見も多く、退役将校による異例の政権批判が論議となっています。