知床 観光船沈没 海底に落下した船体をきょう再度つり上げへ

北海道 知床半島沖で観光船が沈没した事故で、海底からつり上げて運ぶ途中に落下した船体について、26日、再びつり上げて作業船の上に引き揚げる作業が行われます。

知床半島の沖合で観光船「KAZU 1」が沈没した事故で、船体はサルベージ会社の作業船によって水深およそ120メートルの海底からつり上げられ、24日、海中につられた状態のまま運ばれる途中に落下しました。

船体は、斜里町のウトロ沖の水深182メートルの海底で確認され、25日、水中ロボットを使ってベルトを船体にかける作業を行いました。

そして、26日は午前に準備作業を行ったあと、午後に船体を再びつり上げ、いかりを下ろせるウトロ沖の水深の浅い海域に運んだ上で作業船の上に引き揚げることにしています。
船体の落下については、つっていた5本のベルトのうち2本が切れていたことがわかっていて、今回、サルベージ会社はより太いベルト2本を使ってベルトに十分な荷重がかかるように船体を固定してつり上げる方針です。

また、落下を防ぐため、今回は船体を海面までつり上げたうえで作業船に横付けして固定する方法に変更したほか、船上への引き揚げを行う海域をつり上げの現場の近くに設定して運ぶ距離を短くするということです。

作業船は船体を引き揚げたあと網走港へ向かい、早ければ27日、入港し、その後、陸揚げする方針です。

現地対策本部で乗客の家族への説明会

現地対策本部が置かれている斜里町役場のウトロ支所では、25日夕方、乗客の家族への説明会が開かれ、オンラインを含め39人が参加しました。

国土交通省などによりますと、説明会では、観光船「KAZU 1」の船体の引き揚げ作業などについて説明が行われ、家族からは「船体には、家族の大事なものが残っていたかもしれない。今回、落下したことは非常に残念だ」という声が上がったということです。

また、説明会のあと、北海道運輸局の岩城宏幸局長は、今月17日に行った緊急の安全点検で不備が見つかった、事故が起きた船と同じ地区で観光船を運航している3つの事業者を対象に、26日から監査を行うことを明らかにしました。

岩城局長は「『これまでの指導や監督が甘かったのではないか』、『不十分だったのではないか』という指摘が多くあった。指摘を真摯(しんし)に受け止め、安全対策を徹底していきたい」と述べ、事故の再発防止に向けて、チェック体制を強化していく考えを示しました。