あいちトリエンナーレ負担金 名古屋市に支払い命令 地裁

3年前、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の「表現の不自由」をテーマにした展示をめぐって、名古屋市が負担金の一部の支払いを拒否したことの是非が争われた裁判で、名古屋地方裁判所は、市に未払いの負担金3300万円余りの支払いを命じました。

令和元年に開催された国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」は「表現の不自由」をテーマに、慰安婦問題を象徴する少女像や、昭和天皇をコラージュした映像作品などを展示するコーナーが設けられ、テロ予告などが相次ぎ、一時、展示が中止されました。

芸術祭は、愛知県の大村知事が実行委員会の会長を、名古屋市の河村市長が会長代行を務めましたが、名古屋市は、公共事業として公金を支出するのが著しく不適切なうえ、危機管理上、重大な事態の発生が想定されたのに、河村市長に展示内容などが知らされておらず、展示の一時中止や再開も、大村知事が独断で決定したなどと主張して、負担金の一部、3380万円余りを支払いませんでした。

この支払いを市に求めて実行委員会が起こしていた裁判の判決で、名古屋地方裁判所の岩井直幸裁判長は「芸術祭は公共事業ではなく、作品も激しい抗議にさらされたものの、市が主張するようなハラスメントというべきもの、違法なものとは断定できない。中止や再開の判断は、会長を務める大村知事の裁量の範囲内で、市は支払いを拒むことはできない」などとして、市に対し負担金の支払いを命じました。

名古屋市 “判決を精査し適切に対応”

判決について、当時「あいちトリエンナーレ」の事業を担当していた名古屋市文化芸術推進課は「判決をよく読んで精査したい。弁護士とも検討し適切に対応してまいりたい」とコメントしています。

河村市長は、今後の市の対応などについて、25日夜に記者団の取材に応じることにしています。

愛知県 大村知事「妥当な判決だ」

芸術祭の実行委員会の会長を務める愛知県の大村知事は「私どもの主張が認められた妥当な判決だと受け止めている。名古屋市には判決で認められた負担金の支払いを速やかに行ってもらいたい」というコメントを発表しました。

名古屋 河村市長「とんでもない判決」

名古屋市の河村市長は記者団に対し「とんでもない判決で、司法に対する市民の信頼が揺らいだのではないか。あす、弁護士とも相談し、国民、市民を守る観点から、厳しく対応をしたい。議会とも丁寧に調整したい」と述べ、控訴する方向で調整に入りたいという考えを示しました。