三菱電機 新たに101件の検査不正 兵庫や愛知など全国15拠点で

国内の複数の工場で製品の検査不正が明らかになっている三菱電機は、兵庫県や愛知県の工場など全国15の拠点で、新たに101件の不正があったと明らかにしました。国内にある拠点のおよそ7割で不正が発覚した形です。

三菱電機の漆間啓社長は、101件の新たな不正が明らかになったことを受けて、25日夕方、会見を開き「一連の不適切行為でお客さまや関係者の皆さまに多大なるご心配、ご迷惑をおかけしたことを心からおわび申し上げます。会社として調査活動に全面協力して、不適切行為の全容解明に向けて総力をあげて取り組んでいきたい」と述べ、陳謝しました。

三菱電機は、去年明らかになった製品の検査不正をきっかけに、弁護士などでつくる委員会が国内すべての拠点を対象に調査を行っていて、25日、新たな報告書を公表しました。

過去2回の報告書では、6つの拠点で合わせて47件の不正が明らかになっていますが、今回、新たに15の拠点で101件の不正があったと指摘しました。

このうち、兵庫県の伊丹製作所では、遅くとも50年前の1972年ごろから、鉄道車両に使われる製品の振動試験を一部行わず、うその書類を作成して顧客に提出するなど19件の不正があったとしています。

愛知県の稲沢製作所では、2018年12月より前に出荷したアメリカ向けのエレベーターの部品で、電圧に関する試験を実施していないなど10件の不正があったとしています。

さらに兵庫県の姫路製作所では、今月まで不正を行っていたということです。

このほかの不正も、大半は顧客から求められていた試験を一部で実施していなかったり、試験の書類にうその数値を記載するなどしていて、調査委員会は納期に間に合わせようとしたり、コストを下げようとしたりしたことが要因だと指摘しています。

三菱電機には国内に22の拠点があり、今回はこのうちの7割で不正が発覚した形です。

調査委員会によりますと、これまでに明らかになった不正を含めた148件のうち、およそ4割にあたる66件は、意図的に不正を行う悪質な事例だったということです。

調査委員会には、これまでに調査が必要だという社内からの報告などがおよそ2300件寄せられ、これまでにおよそ8割に当たる1900件余りの調査を終えたとしています。

委員会は残りの調査を続けて、さらに詳しい実態を明らかにする方針です。

調査委 委員長「経営陣の責任は重い」

今回、新たに発覚した不正について、調査委員会の委員長を務める木目田裕弁護士は「どこの製作所でも、不正を報告しない『言ったもん負け』の雰囲気があったと従業員が指摘している。ミドルクラスが、しっかり機能する組織や経営風土を作ってこなかった経営陣の責任は重い」と厳しく指摘しました。

そのうえで、今後の調査について「多くの製作所で不正が発生しているのは、会社全体として共通する問題があったと考えている。最終報告に向けて、原因、背景のさらなる深掘りをしたい」と述べました。

不正が発覚した拠点

三菱電機で今回、新たに不正が発覚した拠点は、
▼名古屋市などにある名古屋製作所で7件、
▼愛知県稲沢市にある稲沢製作所で10件、
▼岐阜県中津川市の中津川製作所で1件、
▼和歌山市の冷熱システム製作所で2件、
▼神戸市の神戸製作所で9件、
▼兵庫県尼崎市の伊丹製作所で19件、コミュニケーション・ネットワーク製作所で4件、系統変電システム製作所で4件、
▼兵庫県姫路市の姫路製作所で4件、
▼兵庫県三田市の三田製作所で32件、
▼香川県丸亀市の受配電システム製作所で4件、
▼広島県福山市の福山製作所で1件、
▼福岡県などにあるパワーデバイス製作所で1件、
▼長崎県時津町の長崎製作所で1件、
▼神戸市などにある電力システム製作所で2件となっています。