軍事侵攻3か月 ロシア軍 ウクライナ側拠点の都市へ攻勢強める

ロシア軍がウクライナに侵攻して3か月がたちました。ロシア軍は、東部ルハンシク州の全域の掌握を試み、ウクライナ側が拠点とする都市への攻勢を強めています。

ロシア国防省は24日、ウクライナ東部ドネツク州の各地をミサイルで攻撃し、弾薬庫などを破壊したほか、東部のクラマトルスクでは、ウクライナ軍の戦闘機を撃墜したと発表しました。

ロシア軍は、完全掌握を目指すウクライナ東部の2州のうち、ルハンシク州のおよそ9割を掌握したとみられ、現在、州全域の掌握を目指し、拠点となる都市への攻勢を強めています。

イギリス国防省は24日「ロシア軍は、セベロドネツクとリシチャンシク、それにルビージュネを包囲しようと、東部ドンバス地域で作戦を強化している」と指摘しました。

そのうえで「ウクライナは強固に抵抗し、効果的な指揮統制を維持しているが、ロシア軍は砲兵部隊が一部で局地的な成功を収めた。ロシアがセベロドネツクの一帯を占領すると、ルハンシク州全体が掌握されることになる」と懸念を示しました。

また、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は23日、ロシア軍がセベロドネツクの南側から進軍し、北側ではウクライナ軍の補給路を断とうとしていると指摘し、ウクライナ側が拠点とするセベロドネツクをめぐり、激しい攻防が行われているとみられます。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、23日に公開した動画で、侵攻から3か月間にわたるロシア軍の戦闘行為を強く非難したうえで「これからの数週間は困難なものになるだろうが、ウクライナには戦うことしか選択肢はなく、私たちの土地と人々を解放しなくてはならない」と述べ、国民に協力を呼びかけました。

また、欧米諸国などに対しては、積極的な軍事支援を継続するよう訴えました。

これに対し、ロシアのプーチン大統領の最側近の1人、パトルシェフ安全保障会議書記は24日、ロシアメディアのインタビューで「われわれは期限を定めていない。大統領が設定した目標はすべて達成される」と述べ、侵攻の長期化もいとわない考えを強調しました。