APEC貿易担当相会合閉幕 対ロシア姿勢の違いから共同声明なく

タイの首都バンコクで開かれていたAPEC=アジア太平洋経済協力会議の貿易担当相会合が閉幕し、出席した萩生田経済産業大臣はウクライナ侵攻を続けるロシアを会合で非難したと強調しました。一方、ロシアをめぐる参加国の姿勢の違いから会合では共同声明は発表されませんでした。

日本やアメリカ、それにロシアなど21の国と地域が参加するAPECの貿易担当相会合は、タイの首都バンコクで2日間の日程を終え、22日に閉幕しました。

出席した萩生田大臣は記者会見し「すべてのセッションの中で、ロシアのウクライナ侵略について国際法違反であり、断じて許容できることではないと非難した」と強調しました。

そのうえでロシアの担当相が発言した際、アメリカなどの代表とともに退席したことについて「国際社会として今起こっていることの重大性をロシアにもしっかりわかっていただきたかった」と説明しました。

一方、今回の貿易担当相会合では域内の貿易や投資のあり方などについて議論が行われましたが、共同声明は発表されませんでした。

日本政府関係者によりますと、ロシアをめぐる姿勢の違いから参加国の意見が一致しなかったということで、APECはことし11月の首脳会議に向けてどこまで実質的な議論ができるかが課題となります。