中国の中央銀行 住宅ローンなどの目安 金利指標を引き下げ

中国の中央銀行は、住宅ローンなどの目安となる金利の指標を引き下げると発表しました。新型コロナウイルスの感染拡大で経済が打撃を受ける中で、不動産市場を活性化させ景気のてこ入れを図るねらいがあるとみられます。

中国の中央銀行、中国人民銀行は20日、事実上の政策金利とされる「LPR」という指標のうち、金融機関が企業などに融資を行う際の目安となる1年ものの金利を据え置いた一方、住宅ローンなど金融機関による長期の貸し出しの目安となる5年ものの金利をこれまでより0.15%引き下げ、4.45%にすると発表しました。5年ものの金利の引き下げはことし1月以来です。

新型コロナの感染拡大で上海などで厳しい外出制限がとられている影響で経済が打撃を受ける中、不動産市場やインフラ投資などを活性化させるねらいがあるとみられます。

当局は、これまで不動産市場の過熱を抑えようと規制を強化してきましたが、開発投資がことし1月から先月までの累計で去年の同じ時期と比べてマイナス2.7%に落ち込む中、不動産業界をてこ入れする姿勢が改めて鮮明になった形です。

一方、1年ものの金利を引き下げなかった背景には、このところ人民元安が急速に進む中で、資本の流出や企業の輸入コストのさらなる上昇を避けたい思惑があるとみられ、難しいかじ取りを迫られています。