宇宙基本計画 “小型衛星を連携 情報収集システム早期構築を”

政府は、宇宙政策の基本方針を示す「宇宙基本計画」の工程表の改訂に向けた中間報告をまとめました。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻などを念頭に、多数の小型衛星を連携させて情報収集能力を高めるシステムを早期に構築することなどを盛り込んでいます。

政府は20日、総理大臣官邸で宇宙開発戦略本部の会合を開き、毎年、年末に行っている宇宙基本計画の工程表の改訂に向けて中間報告を取りまとめました。

この中で、多数の小型衛星を連携させて高い頻度で情報収集ができる「衛星コンステレーション」を早期に構築することを盛り込みました。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻などで防衛力強化が求められているうえに、災害時の状況を迅速に把握することにも役立ちます。

また、日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4か国の枠組み、クアッドで、気候変動対策や海洋資源の利用に関する衛星データの交換を行うなど宇宙分野での協力も進めていくとしています。

さらに、アメリカが主導し、日本も参加する国際的な月探査計画「アルテミス計画」について、日本人宇宙飛行士の月面着陸を2020年代後半をめどに実現することを目指すとしています。

岸田首相「ロケットの打ち上げ能力を拡充」

岸田総理大臣は、宇宙開発戦略本部で「多数の小型衛星が互いに連携することで、災害時の迅速な被災状況の把握や通信などに利用できる『衛星コンステレーション』を構築するため、人工衛星を多数打ち上げていく必要がある。ロシアのロケットが活用できない中、ロケットの打ち上げ能力を拡充し、複数の人工衛星を同時に高い頻度で打ち上げることを可能とする」と述べました。

小林科学技術相「宇宙空間を活用した安全保障に万全期す」

20日にまとまった宇宙基本計画の工程表の改訂に向けた中間報告について、宇宙政策を担当する小林科学技術担当大臣は、20日の閣議のあとの記者会見で「宇宙空間を活用した安全保障に万全を期すとともに、産業分野とも整合性の取れる形で政策を進めていくことが極めて重要だ」と述べました。