バイデン大統領 北欧2国首脳と会談 NATO加盟“全面的に支援”

アメリカのバイデン大統領は、NATO=北大西洋条約機構への加盟を申請した北欧フィンランドとスウェーデンの首脳と会談し、加盟の実現に向けてアメリカとして全面的に支援する考えを強調しました。

アメリカのバイデン大統領は19日、フィンランドのニーニスト大統領と、スウェーデンのアンデション首相をホワイトハウスに招いて会談しました。

両国はいずれもこれまで軍事的に中立の立場をとってきましたが、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて、18日、NATOへの加盟を申請しました。

会談後に行われた記者会見で、バイデン大統領は、両国のNATO加盟について「すべての要件を満たしている。アメリカとして全面的に後押しする。両国はその能力だけでなく、強い民主主義でNATOを強化してくれる」と述べ、加盟の実現に向けて全面的に支援する考えを強調しました。

両国の加盟にはNATOの加盟国すべての同意が必要ですが、このうちトルコはテロ組織として指定しているクルド人武装組織を両国が支援しているなどとして否定的な立場を示しています。

記者会見で、フィンランドのニーニスト大統領は「われわれはいかなるテロ行為も非難し、常に闘っている。トルコが持っているあらゆる懸念についていつでも話し合う用意がある」と述べました。

また、スウェーデンのアンデション首相も「トルコを含めたすべての加盟国と課題を解決するために、さまざまなレベルで協議している」と述べ、加盟に向けてトルコを説得していく考えを示しました。

トルコ エルドアン大統領「両国のNATO加盟はノー」

トルコ大統領府は、エルドアン大統領が、首都アンカラで行われた若者との集会で発言した内容を19日、動画で公開しました。

このなかで、フィンランドとスウェーデンのNATO=北大西洋条約機構への加盟の動きに否定的な立場を示しているエルドアン大統領は参加者からの質問に答える形で「この両国のNATO加盟はノーということだ」と述べ、反対する意向を明確にしました。

そのうえで、エルドアン大統領はウクライナ情勢について「トルコはバランス外交を続けている。プーチン大統領だろうとゼレンスキー大統領だろうと関わり続けていく。地域の安定のために協力していく」と述べました。

フィンランドとスウェーデンのNATO加盟に反対する意向を示したのは、停戦交渉の仲介役を務める立場からもロシアを刺激するのは得策ではないという思惑もあるとみられます。