国連総長 “ウクライナ侵攻で世界的食料不足のおそれ 対応を”

国連のグテーレス事務総長は、ロシアのウクライナ侵攻で小麦などの穀物の輸出が減り、このままでは世界的な食料不足に陥るおそれがあるとして、滞っている穀物などの輸出の再開に向けて対応を急ぐよう訴えました。

国連のグテーレス事務総長は18日、アメリカの呼びかけで国連本部で開かれた世界の食料安全保障を話し合う閣僚級会合に出席しました。

このなかでグテーレス事務総長は、ロシアの侵攻でウクライナからの小麦などの穀物の輸出が、また、ロシアからの肥料などの輸出が減って、世界的な流通量が減少し価格も高騰しているとして、このままでは世界的な食料不足に陥るおそれがあると指摘しました。

そのうえで、滞っている穀物などの輸出の再開に向けてロシアとウクライナ、それにトルコ、アメリカ、EU=ヨーロッパ連合などと緊密に連携していると明らかにし「世界の人たちを飢餓から救い出す唯一の手は国際社会が緊急に団結して行動することだ」と述べて対応を急ぐよう訴えました。

この日の会合にはアメリカや日本、ドイツなど40か国余りが参加しましたがロシアは参加しておらず、国連の安全保障理事会の議長国のアメリカは、19日に安保理の会合を開いて食料安全保障について議論するとしています。

WFP事務局長 “国際的な関心 喚起しなければ”

国連のWFP=世界食糧計画のビーズリー事務局長は13日、SNSに投稿した動画の中で、ウクライナ情勢が世界の食料安全保障に影響を与えるとしたうえで「北アフリカやサヘル地域、エチオピア、スーダン、南スーダン、ソマリアが深刻な食料安全保障の問題に直面することを懸念すべきだ。レバノンやヨルダン、シリア、イエメンから大勢の人が移動を始める可能性もある」と述べ、中東やアフリカで食料不足がおき社会が不安定になれば多くの移民や難民が生じると、警鐘を鳴らしました。

そのうえで「まずは国際的な関心を喚起しなければならない。さもなければ現状の危機のうえに新たな危機が積み上がることになる」と述べ、国際社会はウクライナ情勢への対応と並行して食料安全保障の問題にも目を向ける必要があると、訴えました。

WFPは先月発表した報告書の中で、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続けば、世界全体で新たに4700万人が飢餓に陥るおそれがあると指摘していました。