マリウポリ市長 “ロシア軍が完全掌握しつつも奪還目指す”

ウクライナ東部の要衝マリウポリのボイチェンコ市長は18日、NHKのインタビューに応じ「ウクライナの部隊はマリウポリと製鉄所を防衛してきたが、その任務を終えた。時期が来れば反撃を始め、ウクライナ側が取り戻す」と述べ、ロシア軍がマリウポリを完全に掌握しつつあるものの奪還を目指すと強調しました。

マリウポリの情勢をめぐってボイチェンコ市長は18日、退避先の南東部ザポリージャでNHKのオンライン形式でのインタビューに応じました。

この中でウクライナの部隊の動きについて「80日以上にわたってマリウポリやアゾフスターリ製鉄所の防衛を続けてきた。ロシア軍を押しとどめてきたがその任務が終了した」と述べました。

そのうえでボイチェンコ市長は「ウクライナ側がマリウポリを取り戻す準備はできている。時期が来れば防衛から反撃に転じる。われわれが勝利し、私自身も必ずマリウポリに戻る」と述べ、ロシア軍がマリウポリを完全に掌握しつつあるものの奪還を目指すと強調しました。

こうした中でマリウポリの現状について「ロシアが港を利用しようとしている。しかしウクライナ軍によって機雷が設置され、2隻の船が沈められて航路をさえぎっている。ロシアはそれを取り除こうとしている」と述べ、ロシア側が港の再開に向けて動いていることを明らかにしました。

また「マリウポリの人口の20%から30%に当たる10万人以上が残っているが、食料が不足し水道や電気は止まっている。人道支援物資を送りたいが届けることができない。ロシアは町に入るのを認めるべきだ」と述べ、ロシア軍のもとで人道状況が悪化していると非難しました。