北朝鮮 新型コロナウイルスによる発熱か 新たに23万人以上

北朝鮮では、新たに23万人以上に発熱の症状が確認され、新型コロナウイルスによるとみられる発熱者が依然として相次いでいます。
キム・ジョンウン(金正恩)総書記は幹部らの対応を批判する一方、国民に寄り添う姿勢もアピールしていますが、国外からのワクチンの受け入れを拒んでいる中で感染の封じ込めが進むのかは不透明です。

北朝鮮は、国内で新型コロナウイルスによるとみられる発熱者が依然として相次ぐ中、17日午後6時までの一日で新たに23万2800人余りに発熱の症状が確認され、6人が死亡したと発表しました。

また、先月下旬以降の発熱者の累計は171万5900人余り、死者は62人に上っているとしています。

国営テレビは、首都ピョンヤンで軍医ら3000人近くが数百か所の薬局に派遣されたほか、140万人を超える医師や医科大学の学生らが検査や治療にあたるとともに、新型コロナの「治療案内指導書」が作成され各地に配布されたと伝えました。

さらに、ピョンヤンの1万世帯余りに白菜などの食料が供給されたのに加え、キム・ジョンウン総書記の自宅の常備薬が南西部のファンヘ(黄海)南道に届けられたということです。

キム総書記は朝鮮労働党の会議で幹部らの対応を批判し、内部の引き締めを図る一方、国民に寄り添う姿勢もアピールしていますが、国外からのワクチンの受け入れを拒んでいる中で感染の封じ込めが進むのかは不透明です。

韓国大統領府 “米が支援打診も回答なし”

韓国大統領府の国家安保室のキム・テヒョ(金泰孝)第1次長は、18日の記者会見で、アメリカが北朝鮮に対し、新型コロナウイルスへの対応で支援を打診したものの、回答がないと明らかにしました。

また、今月21日に予定されている米韓首脳会談で、新型コロナをめぐる北朝鮮への支援が議題になるのかという質問に対しては「保健に関する協力で議論はできるかもしれないが、北が反応する前なので具体的な話は難しいのではないか」と述べました。

一方、キム次長は、アメリカのバイデン大統領が韓国を訪問している間に、北朝鮮が7回目の核実験を行う可能性は相対的に低いと見ているとしたうえで、ICBM=大陸間弾道ミサイルの発射は差し迫っているとする見方を示しました。