フィンランドとスウェーデン NATO加盟を申請 事務総長は歓迎

北欧のフィンランドとスウェーデンは18日、NATO=北大西洋条約機構への加盟を申請しました。NATOのストルテンベルグ事務総長は、歓迎する意向を示したうえで、加盟各国との調整を急ぎ、迅速に結論を出す考えを強調しました。

フィンランドとスウェーデンのNATOの大使は18日、ベルギーのブリュッセルにあるNATO本部でストルテンベルグ事務総長と面会しました。

そして、両大使がNATOへの加盟を申請する書面を手渡したのに対し、ストルテンベルグ事務総長は「NATOにとって最も緊密なパートナーである両国の加盟によって、われわれの安全保障は強化されるだろう。加盟の申請は歴史的な一歩だ」と歓迎しました。

両国の加盟には、NATOの加盟国すべての同意が必要ですが、このうちトルコは、テロ組織として指定しているクルド人武装組織を両国が支援しているなどとして難色を示しています。

ストルテンベルグ事務総長は、NATOの拡大や結束の重要性については、すべての加盟国が一致しているとしたうえで「NATOは、各国の安全保障上の問題に対応し、迅速に結論を出す」と強調しました。

両国は、正式に加盟するまでは、集団的自衛権の行使を定めた北大西洋条約第5条は適用されませんが、ストルテンベルグ事務総長は、ロシアによる軍事行動も念頭に「NATOはすでに警戒態勢にある。引き続き必要に応じて対応していく」と述べました。

トルコ大統領が難色示す

北欧のフィンランドとスウェーデンがNATO=北大西洋条約機構への加盟を申請したことについて、両国の加盟の動きに否定的なトルコのエルドアン大統領は18日、与党・公正発展党の会議で演説し「NATOの加盟国はわれわれの機微に触れることも尊重すべきだ」と述べ、トルコやEU=ヨーロッパ連合がテロ組織に指定しているクルド人武装組織が両国で活動をしていることが自国の安全保障上の問題だとして改めて難色を示しました。

そのうえで特にスウェーデンでのクルド人武装組織の活動が活発だとして「テロの支援をしながらわれわれの承認を期待するとは、控えめに表現しても一貫性がない。テロリストを引き渡さないのにわれわれにNATO加盟を要求するのか」と述べ、スウェーデンに対応を迫りました。