“手術動画提供で現金” 厚労省が医療機器メーカーの調査開始

全国の複数の眼科医が、患者や病院に無断で医療機器メーカーに手術の動画を提供して現金を受け取っていた問題で、厚生労働省が会社側から聞き取りを行うなど契約内容の調査を始めたことが関係者への取材でわかりました。
この問題では、業界団体も現金提供の目的が自主規制のルールで禁じた、自社製品の販売促進だった可能性もあるとして調査していて、会社は「コンプライアンス上、問題があった可能性があり事態を重く受け止めている」などとコメントしています。

全国の総合病院などに勤務する眼科医5人は、アメリカの医療機器メーカーの日本法人で千葉県浦安市に本社がある「スター・ジャパン」との間で、この会社のレンズを使用した白内障手術の動画を作成する契約を結んだうえで、病院や患者に無断で提供し、現金を受け取っていたことがNHKの取材でわかりました。

同じような契約を結んで現金を受け取っていた眼科医は、この5人を含め全国で少なくとも10人に上り、現金提供の総額は去年までの3年間で700万円を超えています。

この問題で、医療機器メーカーを所管する厚生労働省が17日までに会社側から資料の提出を受け聞き取りを始めるなど、契約内容について調査を始めたことが関係者への取材で新たにわかりました。

この問題では、医療機器メーカーの業界で作る「医療機器業公正取引協議会」も、現金提供の目的が景品表示法に基づく自主規制のルールで禁じた自社製品の販売促進だった可能性もあるとして調査を進めています。

一方、医師が勤務する各病院は「個人情報保護法上の管理が不適切だった」などとしていて、国の個人情報保護委員会も手術動画の管理体制について調査を進めています。

NHKの取材に対し「スター・ジャパン」は、これらの契約について「眼内レンズを使用した外科技術の教材を作成するプログラムを行っていた」としたうえで「コンプライアンス上、問題があった可能性があり事態を重く受け止めている。医療従事者や患者、ご家族にご心配とご迷惑をおかけしていることをおわびします」などとコメントしています。