4630万円誤給付 男性の代理人弁護士「現実的に返還は難しい」

山口県阿武町が新型コロナウイルスの影響で生活に困窮する463世帯分の給付金、合わせて4630万円を誤って1人の男性の口座に振り込み、その後、返還を拒否されている問題。
16日、男性の代理人の弁護士が会見し、男性が警察の任意の事情聴取に応じたことを明らかにするとともに、「本人はお金を所持しておらず、現実的に返還は難しい」などと述べました。

この問題は阿武町が新型コロナの影響で生活に困窮する世帯を対象に、1世帯当たり10万円を支給する国の臨時特別給付金について、463世帯分の合わせて4630万円を誤って町内の24歳の男性の口座に振り込み、その後、返還を拒否されているものです。

阿武町が男性に給付金の返還を求める訴えを裁判所に起こしたことを受けて、16日、男性の代理人の弁護士が山口市で会見を開きました。

この中で弁護士は、「本人はお金を所持しておらず、現実的に返還は難しい」などと述べました。

「振り込まれた給付金を使い切ったということか」という記者からの質問に対しては弁護士は「おおむねそういうことで良い」と答えました。

そして、男性が先月と今月の2回にわたって警察の任意の事情聴取に応じて状況を説明したことや、男性とは連絡が取れていることなどを明らかにし、今後、返還を拒否した経緯などについて、弁護士として説明していく考えを示しました。

また弁護士は今後、町が起こした訴訟に対応していくと述べたうえで、「訴訟の中で、阿武町側と協議して、何らかの解決が図れるように検討していきたい」と話していました。