新型コロナ対策の時短命令めぐる訴訟 きょう判決 東京地裁

新型コロナの緊急事態宣言の発令に伴う営業時間の短縮要請に応じていないとして、東京都から特別措置法に基づく時短命令を受けた飲食店の運営会社が営業の自由などを侵害されたと訴えた裁判の判決が16日、東京地方裁判所で言い渡されます。新型コロナ対策の時短命令をめぐる判決は初めてで、裁判所の判断が注目されます。

飲食店の運営会社「グローバルダイニング」は、東京都に2回目の緊急事態宣言が発令されていた去年3月「午後8時以降も営業を続け感染リスクを高めている」として、特別措置法に基づき営業時間を短縮するよう都から命令を受けました。

2回目の宣言期間中に都が命令を出した32店舗のうち26店舗がこの会社が運営する飲食店で、会社は都に賠償を求める訴えを起こし「時短要請に応じない飲食店はほかにもあったのに狙い撃ちにされた。特措法や命令は営業の自由や法の下の平等などを保障した憲法に違反している」と主張しました。

一方、都は「原告の会社は上場企業で社会的影響力が強く、ほかの飲食店への影響も大きい」として命令は正当だと主張しています。

新型コロナ対策の時短命令をめぐって判決が言い渡されるのは初めてで、感染対策を理由とした行政による営業の制限が妥当だったといえるのか、裁判所の判断が注目されます。

判決は16日午後3時に東京地方裁判所で言い渡されます。

改正特別措置法に基づく都の「命令」は

営業時間の短縮要請などに応じない店に対して、都道府県知事は去年施行された新型コロナウイルス対策の改正特別措置法に基づき「命令」を出すことができます。

都は「命令」の対象を職員による直接の働きかけや文書による個別の要請などを行っても、正当な理由なく応じなかった店としています。

都によりますと、これまでに延べ192の飲食店に「命令」を出したということです。

このうち都が午後8時までの時短営業を飲食店に要請していた去年3月21日までの緊急事態宣言の期間中には、32の店に「命令」を出しました。32のうち26はグローバルダイニングが経営する店でした。

グローバルダイニングはこの「命令」を受けてすべての店で時短営業に応じています。

都は「命令」までの手続きは国からの事務連絡などに基づき行っていると説明しています。