サッカーW杯へ 三笘薫「圧倒的な存在感を残せるような選手に」

11月に開幕するサッカーワールドカップカタール大会までまもなく半年です。
3月のアジア最終予選、オーストラリア戦では途中出場ながら2点をマークし三笘薫選手は、日本代表の攻撃の切り札として日本の7大会連続のワールドカップ出場に大きく貢献しました。
現在ベルギー1部リーグのサンジロワーズでプレーする24歳。
インタビューではベルギーでプレーする中で実感していることやワールドカップへの思いなどを語ってくれました。インタビューの全文です。

“自分のプレーをしたときにどれだけいい印象を持たせられるか”

ーベルギー1部でプレーしてみて感じていることは
三笘選手
「来てよかったなというのはすごく思いますし、自分自身の成長を実感できているのがその要因ですけど、こっちのサッカーにも少しずつ慣れて自分の特徴も出せるようには なってきているので、最初に来た頃はそんな余裕はなかったですし、今自分のプレーを出せているということは改めて成長できているところなのかなと思っていますね」

ーJリーグとベルギー1部の違いは
三笘選手
「よりスピーディーというか、特にベルギーですけど、スペースが多くあってオープンになる展開が日本よりも多いので、前からのプレスも結構かけに来るところが多いですし、より組織的というよりは個人の能力を伸ばしやすくて、プレーとして、サッカーとしても、うまい選手が多いので、そういった面ではいいリーグに来れたなと思っています」
ーインテンシティ(強度)は
三笘選手
「日本のときよりは高いと思っているんですけど、日本のときのサッカーを完全に忘れてしまっているんで、比較しようがないんですけど、最初の頃のベルギーに来た時は、あまり慣れていなかったと思うので、そこに今適応できているというのは成長しているということなのかなと思います」

ーベルギーでのサッカーに慣れるために意識して取り組んでいることは
三笘選手
「まずはチーム内で結果を出さないと試合に出られないので、そこのスタメン争いっていうのは日本のときよりも激しくなったなと思いますし、そのうえで出たときにチームの勝利に貢献できれば、試合にも出れると思っていたので、その自分のプレーをしたときにどれだけいい印象を持たせられるかというところを考えていましたし、ウィングバックをやっていましたけど、その中でも得点だったり、もちろん守備のところもやれないといけないので、総合力というのは日本の時よりも意識してやっていました」

ーJリーグのときよりも守備の部分は比重が高まったのか
三笘選手
「そうですね。ゴール前での守備のところも増えましたし、サイドの選手と守備の1対1の回数も多いので、そこでの守備対応と言うのは磨かれたと思います」

ーどんな部分が磨かれたのか
三笘選手
「特に球際ですけど、ボールにチャレンジできるようになったなというのは日本のときよりも感じますし、チャレンジしたあとのステップワークと言うのは力強く動けていると思います。日本のときよりも」

“一瞬のプレーというのは気が抜けないなと思いました”

ー守備に比重置いたことでドリブルに生かせていることは
三笘選手
「守備での考えていることと攻撃で考えていることは違いますけど、ドリブルをしたときによりよいコンディションというか、パワーを持った状態で攻撃に行くことが求められるので、特に守備をしたあとに前に出て行って、1対1をする回数が多いので、そこでの強度というのは少しずつ上がってきているかなと思います」

ー日本とベルギーでの相手の守備の対応の違いは
三笘選手
「日本の選手よりもボールにアタックする意識というのは高いですし、今のウィングバックだとスペース、ボールを前に運べて自分のよりよい形で仕掛けられますけど、ストライカーのポジションだったり、1つ前のポジションになったときは、より相手との間合いが狭い状況で仕掛けないといけないので、その圧というのは日本の選手にないこともあります」

ー「圧」をかけてくる相手に対してドリブルで心がけている部分は
三笘選手
「やっている事は日本のときと変わらないですけど、結構やり切らないでボールをロストしてしまうと、カウンターのリスクが日本のときよりも高いので、中途半端なプレーというよりもシュートで終わったりクロスで終わったり、という判断をするようになったかもしれないですね」

ーシュートやクロスボールで終わる意識がより高まったのは苦い経験があったからか
三笘選手
「そうですね。最初にベルギーでプレーしたときにボールをロストして失点に絡んで、こんなにカウンターですぐに失点してしまうんだというのは感じましたし、それはボールをロストしてしまった選手の責任なので、それが日本のときよりも自分のせいにされやすいというのはありましたし、そのリスクのところは感じていますね。ボールのロストのしかたが悪ければカウンターを受けてしまうリスクが高いので、そこに対する考え方は少し変わったかもしれないですね」
ー具体的にはどの試合か
三笘選手
「ベルギーでの最初の試合か、2試合目くらいですね。たぶんゲンク戦の後のホームの試合ですかね。(※去年9月のワレヘム戦。三笘選手がボールを奪われ、カウンターから失点した)僕がボールロストして、クロスして上げられて決められて、その試合はその後に僕らが点を決めて勝ったんですけど、その時点でやっぱりチームの中での信頼がなくなりかけたので、あの試合で負けていたらその試合後(の立ち位置)というのは変わったかもしれないので、本当に一瞬のプレーというのは気が抜けないなと思いましたね」

ー逆に手応えを得たプレーは
三笘選手
「手応えがあったプレーですよね。何ですかね。いろんな試合があると思うんですけど、やれるなというふうに思ったのは途中出場からよりも、スタメンで試合に出てチームの勝利に貢献できたときとかで、よいプレーが増えたときの方が実感をしていることが多いので、途中出場は日本のときから多かったですし、やれるというか、やらないといけないというのはわかっていたんですけど、スタメンでベルギーで出て、得点に絡んでというところでは、(去年11月の)ホームのシャルルロワ戦とかは、結構いい印象を持っていたかなと思いますね」

“1回で踏み出すときの力強さ 増している”

ー先発へのこだわりはより強まっているか
三笘選手
「そうですね、途中(出場)だとやれるけどスタメンだとやれないというのを思われてしまうのはわかりますし、そういったことを言われるのも嫌なのでスタメンで出るときにやりたいという気持ちはありますね」

ーシャルルロワ戦では、特にどのプレーで手応えがあったか
三笘選手
「試合を通して、常にある程度いいプレーはできていましたし、後ろから、ウィングバックのところから前に上がっていって、ゴールはしていないんですけど、ゴールに関与できるプレーというのが多かったので、そういったところかなと思います」

ードリブルでのボールの置き所はベルギーに行って変えたのか
三笘選手
「それは変わらないですね、日本のときと。ただ力強さというところは出てきていると思うので、後はより細かい動きも動けるようにはなってきているので、その分自分の中で芝の長さも違いますし、ボールフィーリングというのは少しずつ変わっているところはあるかもしれないですけど基本的には変わらないですね」

ードリブルの力強さはどこから生まれてきているのか
三笘選手
「日々の練習もそうですし、試合の強度もそうですし、それに慣れたというところはすごくあると思いますし、自分自身の体もそれによって変わってきたというところもありますし、栄養のサポートも加わってそれも増しているところもあると思います」

ー体ががっちりした印象があるが
三笘選手
「そうですね、筋力を上げたいなと思っていますけど、筋トレは並行していきながら、でも練習の強度というか、自分の中で上がっていっているところはあると思うので、それによって体の変化しているところもあるかなと思いますね」

ー筋肉量は増えているのか
三笘選手
「筋肉量のデータはちょっと今、わからないですね。あんまり測っていないんですけど、実感としては増えていると思いますね」
ードリブルに影響している部分は
三笘選手
「1回で踏み出すときの力強さというのは自分の中で増しているなというのは感じていますし、その分昔よりも守備の対応とかで止まる動作が多くなったので、そういった面で使う筋肉の場所も違ったり、止まってから動くストップダッシュというのは増えているので、止まれば止まるほど筋肉の前側の部分は発達しますけど、そういったところで見栄えはよくなっているかもしれないんですけど、スプリントもして、後ろ(の筋肉)もつけてますし、そういったところでバランスがよく取れてきたかなという感じですね」

ー最終予選のオーストラリア戦の2点目のドリブルは、まさに1歩目の力強さから生まれたものだと思うか
三笘選手
「1歩目の初速が日本のときよりも速くなっているかはわからないですけど、自信を持って仕掛けられるようになっているというのはあると思いますし、それはいろんな選手と対じしても自分の特徴が出せるなというところの自信から来ているのかなと思います」

“代表の中心となっていかないといけない”

ーベルギーで身体能力高い選手と対じしていることで自信が生まれているのか
三笘選手
「それはあると思いますし、やっぱり日本の時は海外の選手は全員身体能力が高いかなと勝手ながら思っているところがありましたけど、実際はそんなことない選手もいますし、そういうのは来てみないとわからないことなので、そういったところの発見は多くありましたね」

ー1対1での仕掛けでベルギーに行って変えた部分はあるか
三笘選手
「日本のときはギリギリまで待って最悪アタックされてもボールキープできたりするところはあるんですけど、海外の選手は後ろに引きながらも、一気に前に出たりする回数も多いので、そのところでは常にボールタッチをしていないと1つ離れたときにボールにアタックされてロストすることも増えるので、相手の間合いに入る前に自分から仕掛けるときもありますし、それはエリアによって変えていますけど、日本のときよりも早めに仕掛けることが増えたかもしれないですね」
ー最終予選のオーストラリア戦でワールドカップを決定づけるゴールを決めた。自身にとってはどんなゴールだったか
三笘選手
「試合は0対0で進む中、途中から出て決めたいなと思っていましたし、イメージどおりの自分の中では展開にすることができたのですごくうれしいですし、ワールドカップを決めるゴールを決められたというのはすごくうれしいですけど、僕自身は全然まだまだ代表に数回にしか呼ばれていないですし、今後もっともっと呼ばれ続けて、代表の中心となっていかないといけないと思うので、そういった面ではベトナム戦にすぐ切り替えてやっていましたけど、自分の人生の中でも大きな1点を決められたなと思っていますね」

ー代表の中心となるために鍛えていきたいところは
三笘選手
「90分通しての強度と得点力、守備力、大きく言っちゃうとそのくらいですけど、そこは求められますし、(イングランド)プレミアリーグで試合を年間を通してプレーをできていれば、それが世界のトップレベルなのでそれが求めていることかなと思いますね」
(※現在、三笘選手はイングランドプレミアリーグのブライトンからベルギー1部のサンジロワーズに期限付き移籍中)

ープレミアリーグへの思いは強いか
三笘選手
「プレミアリーグに(移籍が)決まったときから意識するようになりましたし、小さい頃からプレミアリーグだけに行きたいとは思っていませんでしたけど、今そういうところに目標があって、チャンスがあるのでそこでプレーしたいなという気持ちは日に日に強まっていますね」

W杯へ「点を決めきるという力が必要」

ーワールドカップ本大会では、強豪のスペイン、ドイツと対戦することが決まった。率直にどう感じたか
三笘選手
「厳しいグループに入ったなと思いましたし、その分ワールドカップでスペインとドイツとできるというのはすごく貴重な経験だなと思ったので、そのピッチに立ちたいなと思いながら見ていました」

ースペインとは東京オリンピックで対戦した。どんな印象を持ったか
三笘選手
「個人の技術が日本の選手よりも高くて、あの選手のレベルで戦術的に動くので、それはやっぱり日本は勝てるチャンスはありましたけど、実力はあるなと思いましたし、ピッチに立たないとわからない部分は多いですけど、日本人が求めているサッカーというか、身体的な能力も含めてああいうところにあるんじゃないかなと思いますね」

ーピッチに立ったときにどんなところを突いていきたいか
三笘選手
「あの試合だけに限らずですけど、スペインはやっぱり後からつないできてというイメージがありますし、そういった面ではショートカウンターが効くんじゃないかなというのは思うので、そのイメージを持っていますけど、ずっとボールを握られるとやっぱり疲弊もしてきますし、そういったところで積極的な守備というのも大切になってくるかなと思います」

ーショートカウンターというと川崎フロンターレでやっていたときのようなイメージか
三笘選手
「そうですね、前からうまくはめてボールをとって、点を決めきるという力が必要かなと思いますね」

ードイツの印象は
三笘選手
「ドイツはもう個人の能力が世界の国の中でも抜けているというか、攻撃の選手もそうですけど、守備の選手もフィジカル的な能力が高くて、穴がないイメージですけど、いかに自分たちがボールを持って、自分たちの時間帯を作るかというのが大事かなと思っていますね」

“圧倒的な存在感を残せるような選手になりたい”

ーメンバー入りに向け6月の強化試合ではどんなプレーを見せたいか
三笘選手
「強豪の国とやれるチャンスがあると思うので、そこで力を示せればワールドカップでもできるなというのは監督を含めて、いろんな方に思ってもらえると思いますし、それを11月までに5か月ぐらいあるので、そこで本当に1か月でも人としては選手としては成長できるなというのはすごく実感しているので、環境が変わる変わらないにしても、より1段階、体としてもメンタルとしても、成長してそこに選ばれるようにしたいなと思います」

ー代表のスタメンを勝ち取るために必要なことは
三笘選手
「そうですね、まず選ばれることも大切ですし、代表のスタメンで戦ったときにどれだけやれるか、強豪相手にどれだけやれるかが大切だと思いますし、所属クラブでずっと試合に出続けることがいちばん大事だと思うので、まずはそこに集中したいなと思います」

ーワールドカップとは三笘選手にとってどんな舞台か
三笘選手
「サッカー人生でいちばん大きな大会だなと思いますし、それは25歳できますし、次の大会も29歳なので全盛期というか、サッカーを自分がいちばんよい状態でやれる大会の1つなので、そこに出ないと自分のサッカー人生も後悔して終わるんじゃないかと思っているので、そこに出たい気持ちは強まっていますね」。

ーワールドカップに向けてどんなことを伸ばしていきたいか
三笘選手
「攻撃、守備、すべてのレベルアップとフィジカルの能力を上げることは必要だと思います。後はどんな状況でも得点を決めきることだったり、アシストできる選手と言うのは世界でもデブルイネ選手だったり、そういった選手がいると思いますけど、あそこまでにはなれないにしても、圧倒的な存在感を残せるような選手になりたいなと思っています」