ウクライナ東部で激しい攻防続く 米国防長官 即時停戦を要求

ロシア軍はウクライナ東部2州の掌握を目指し、東部一帯でウクライナ軍との激しい攻防が続いています。
こうした中、アメリカのオースティン国防長官は13日、ロシアのショイグ国防相と軍事侵攻が始まって以降、初めて電話で会談し、ウクライナでの即時停戦を要求しました。

ロシア国防省は13日、空軍が東部ルハンシク州でウクライナ側の部隊を攻撃したほか、東部ハルキウ州で弾薬庫などを破壊したと発表しました。

また、アメリカ国防総省の高官は13日、ハルキウ州のイジュームとドネツク州のスラビャンスクの間では、ウクライナ軍とロシア軍の間で激しい砲撃戦が続いているという認識を示しました。

ウクライナ側の砲撃部隊はドネツ川を渡っていたロシア軍の部隊に攻撃を仕掛け、進軍を阻んだということで、この高官は「ロシア軍は突破口を開けずにいる」と述べて大きな前進はできていないとの見方を示しました。

一方、ロシア大統領府によりますと、プーチン大統領は13日、国家安全保障会議を開き、ショイグ国防相がウクライナでの作戦の状況を報告したということです。

そして、フィンランドとスウェーデンが将来、NATO=北大西洋条約機構に加盟した時に生じるロシアへの脅威や16日、モスクワで開催されるロシア主導の軍事同盟、CSTO=集団安全保障条約機構の首脳会議についても意見が交わされたとしています。
こうした中、米ロ両政府によりますと、13日、アメリカのオースティン国防長官とロシアのショイグ国防相が電話で会談しました。

アメリカ国防総省によりますとオースティン長官は会談で、ウクライナでの即時停戦を要求するとともに、対話を維持することの重要性を強調したということです。

一方、ロシア国防省はウクライナ情勢を含む国際的な安全保障分野の喫緊の課題について議論したとしています。

米ロ両国の国防相による電話会談は軍事侵攻が始まって以降、初めてでしたが、アメリカ国防総省の高官は「問題が解決したわけではない。ロシア側の行動や言動を変えることはできなかった」と説明し、停戦への道のりは依然、厳しい情勢です。