コロナに相次ぐ値上げ 家計ひっ迫のひとり親家庭に支援増加

長引く新型コロナウイルスの影響で家計がひっ迫するひとり親家庭に、食料品などの相次ぐ値上がりが追い打ちをかけています。
都内の食料支援の現場では、ことしに入って支援の申し込みが増え続けていて、支援団体が対応に追われています。

12日、東京 江戸川区のボランティア団体「フードネット江戸川」が行った食料支援の活動には、シングルマザーを中心に多くの人が訪れました。

提供するのは、団体が寄付を受けたコメや野菜、それに賞味期限の近いお菓子や缶詰などで、訪れた人は持ってきたかばんに食料を詰め、持ち帰っていました。

この団体は月に3回、ひとり親家庭などを対象に、事前予約制で食料支援を行っていますが、ことしに入って支援の申し込みは増え続けています。

去年の夏には月に60件程度でしたが、先月にはその1.5倍に当たる87件に上り、これまでで最も多くなったということです。

このため、一部については別の日程での申し込みや他の支援団体の利用をお願いせざるをえない状況になっています。

申し込みの増加の要因と考えられるのが、新型コロナの影響に加え、食料品など生活必需品の相次ぐ値上がりです。

「フードネット江戸川」の棚橋幹夫さんは「最近の値上げの影響も出ているのか支援の申し込みは右肩上がりで、生活に困っている人が増えていると感じる。少しでも役に立てるよう、できるかぎりの支援を続けたい」と話していました。

値上げによる苦労や今後の生活への懸念の声

12日の食料支援は支援を受けた人の9割がシングルマザーで、値上げによる苦労や今後の生活への懸念の声が聞かれました。

このうち、2人の子どもと一緒に暮らす40代の女性は「給料は上がらないままで物価だけが上がっている状況なので大変です。以前は、パスタを食べるときは市販のソースなどを買っていましたが、今はすべて手作りにして少しでも安く済むようにしたり大葉などは家庭栽培をしてみたり、工夫しています。米や野菜を提供してもらえてとても助かります」と話していました。

また、大学生の子どもと2人暮らしの50代の女性は「野菜などがすごく高くなっていて、買うのをためらうことが多くなりました。以前はできるだけ国産のものを選ぶようにしていましたが、最近は、とにかく価格が安いものを選ぶようにしています。給料は変わっていないので、今後も物の値段だけが上がり続けるとやりくりが大変だし、とても困ります」と話していました。

専門家「継続的な支援が必要」

ひとり親家庭の生活への影響の深刻化は、支援団体の調査でも明らかになっています。

ひとり親家庭を支援する東京のNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」は、新型コロナの「第6波」が仕事や家計に与えた影響について支援する全国のおよそ2400人に調査を実施し1540人から回答を得ました。

その結果、「第6波」に当たることし2月の平均月収は13万6000円で、特に全体の70%近くに上るパートやアルバイトなどの非正規雇用の人では11万7000円にとどまりました。

また、この時期は休校や学級閉鎖も相次ぎ、子どもの面倒を見るために仕事を休んだり時短勤務したりして「収入が減少した」という回答が全体の25%ほどとなりました。

調査では、このほか「食費は一日300円。人生において今がいちばん苦しい」「これ以上、切り詰められない生活をしている。私はごはんも食べず、子どもは小食の母だと思っているよう」などという声も寄せられたということです。

NPOは、こうした厳しい状況に加えて食料品やガソリン代などの最近の値上がりはひとり親家庭の家計のひっ迫に拍車をかけると懸念しています。

「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の赤石千衣子 理事長は「今までもお米が買えないという方はいたが、この物価高によってさらに食費を切り詰めようとしたり、物価高が今後の生活に影響するのではないかと心配したりする様子がうかがえる」と話していました。

相次ぐ値上がりを受け、厚生労働省は所得が低い子育て世帯に対し、子ども1人当たり5万円の給付金を来月から順次、支給することにしています。

これについて赤石理事長は「収入が減った方にとって5万円の給付金はとてもありがたいが、継続的な支援が必要だ。そうすることで、お子さんを十分に食べさせることができ、親子で安心を取り戻せると思う」と話していました。